ある日を境にダニエルは姿を消した。そして二度と現れなかった。死んだのかと思い、私は悲しくなった。
でも、ほっとしたのも事実だ。ダニエルの言う「悪い」黒人とは違うふりをし続けるのは、正直きつかった。当時の私は自己嫌悪に陥っていて、友達ができるなら誰でもいい、リスペクトされなくてもいいと思っていた。
あれから13年たって、私は賢くなった。今は自分をリスペクトできる。極右の白人と友達になる気はない。
私は10年にフロリダを離れたが、その後もSNSでは何度も白人至上主義者に遭遇した。人種差別は健在だ。だからこそ黒人の側も、自分をリスペクトできるようになる必要がある。私は文章とSNSを通じて、それを伝える努力を続けている。
ダニエルとの短い交友はいい教訓になった。人は互いの類似点よりも、違いを見つけることにこだわりすぎる。そして互いに憎み合う。
でも、人間に優劣はない。みんな同じ人間だ。この単純な事実を、そろそろ受け入れるべきではないか。
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