加盟するには、加盟国メンバー全員の同意が必要なので、結果、中国がTPPに加盟できる可能性は非常に低いということになる。  

台湾の加盟申請:申請母体は「中華民国」でなく「台湾・澎湖・金門・馬祖個別関税区」

この流れの中で9月22日に台湾がTPP加盟申請に手を挙げたのは非常に大きな意味を持つ。おまけに台湾は「中華民国」として加盟申請をしたのではなく、あくまでもWTO加盟のときと同じ申請母体である「台澎金馬(台湾・澎湖・金門・馬祖)個別関税区」として申請している。

これは非常に賢明なやり方で、北京が言うところの「一つの中国」問題には抵触しない。

台湾政府は今年2月にすでにTPP加盟への意向を示していたが、蔡英文総統自身は「私は総統になった時からTPP加盟を考えていた」と言っている。

ただ台湾はたしかに市場経済を推進する民主主義国家でありTPPが要求する条件を満たすのは容易だろうが、一つだけ難点がある。それは福島産の製品をボイコットしていることで、台湾の国民をどれだけ説得できるかが問題となる。そこをクリヤーできれば、かなり明るい見通しが出てくるだろう。

激怒する中国

台湾のTPP加盟申請を受けて、激怒したのは北京、中国政府だ。

中国共産党機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」電子版「環球網」は22日夜、台湾のTPP加盟申請を中国に対する「撹乱(かくらん)だ」との見出しで速報した

外交部の趙立堅報道官は23日の記者会見で、台湾のTPP加盟申請に関し「公的な性質を持つあらゆる協定や組織への参加に断固反対する」と反発し、いかなる国も「一つの中国」原則を守らなければならないと声を張り上げた。

中国のネットには、高市早苗が蔡英文に会いたいと言った時点(9月14日)から、日本メディアの新聞報道の画面が流布していた。

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中国のネットで流布している高市早苗氏の新聞報道

ましてや「中華民国」の国旗と日本国国旗を並べてリモートで両者が対談したことに関しては、激しいバッシングがネットを飛び交い、環球網も「トランプに梯子を外された教訓をまだ学ばないのか」と、蔡英文への批難が集中した。

教訓というのは、「トランプに頼り切っていい気になったが、トランプは大統領選で負けたじゃないか。高市は総裁候補に過ぎず、トランプと同じように消えていく人間なんだぞ」という意味だ。

世界情勢の分岐点

バイデン大統領はアフガンから米軍を撤退させ、対中包囲網形成に専念すると誓ったようだが、図表1で見るように中国にはとてつもなく有利に働き、また「AUKUS(オーカス)」に関しては欧米の亀裂を生んで中国を喜ばせている。

QUADは有名無実
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