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コロナ下で閑散としたオフィス。その後も在宅勤務へのニーズは高い JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES

問題は従業員がいつオフィスに呼び戻されるかだけではない。会社がどのような勤務形態を採用するかも重要なポイントだ。オフィスへの通勤を毎日求めるのか、リモートワークの併用を認めるのか──。

大企業の中には、全員フルタイムの出社勤務に戻す方針を明らかにしているところもある。例えばアマゾンは秋までにリモートワークを終わらせ、「わが社の基本として、オフィス中心型のカルチャーに戻る」としている。

ゴールドマン・サックスも同様で、デービッド・サロモンCEOは2月、リモート勤務は「ニューノーマル(新しい日常)ではない」と発言。「できるだけ早く修正していくべき例外的な状況だ」

一方で、もっと柔軟な対応をしている企業もあり、IT(情報技術)業界では特にその傾向が強い。マイクロソフトやフェイスブック、ツイッターでは、恒久的なリモート勤務も選択肢として認められている。

セールスフォース・ドットコムは従業員アンケートの結果を受け、週1~3日だけオフィスに出て、残りは在宅という勤務形態を多くの社員に認めることにした。自宅が職場から遠い場合はリモートワークをずっと続けることも可能だ。

「仕事に集中できる作業空間は今やオフィス内のデスクに限ったものではない」と、同社は公式ブログで述べている。

擦れ違う企業と従業員の思惑

だがコンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)の調査では、労働者の半数以上(55%)が少なくとも週3日はリモートワークにしたいと答えたのに対し、企業幹部の考えはだいぶ異なるようだ。相当に長い時間のリモートワークを認める用意があると答えたのは、4人に1人にすぎなかった。

「企業としては、社員が非効率な働き方をするリスクを減らすため常に目を光らせていたい」と語るのは、カーネギー・メロン大学経営大学院のアニータ・ウィリアムズ・ウーリー教授だ。「物理的に同じ場所にいれば共同作業がしやすくなり、技術革新も起こりやすくなるという考え方が関係していることもある」

各種調査によれば、労働者の大半はリモートワークのほうが生産性は上がると考えている。アラバマ大学バーミングハム校看護学部で働くシャンテイ・ウィリアムズ(34)もその1人だ。

コロナ禍でリモートワークになってからも、通常業務はもちろん、公衆衛生上の緊急事態がもたらした新しい仕事もきちんとこなしてきた自負がある。だが職場からは、昨年10月以降は週2日、この春からは週5日フルタイムの出勤が求められるようになった。通勤には車で片道1時間かかる。

リモートで生産性は上がるのか下がるのか
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