異星人やくだらない悪の陰謀が出てくるあたり、子供向けアニメの類いと言えなくもない。だが本作が違っていたのは、せりふやかっちりした語りに頼らない作品だという点だ。映像はどちらかというと雰囲気づくりを担っており、音楽が感情をかき立て、そこにストーリーをまとわせることで見る者の心をつかむ。

当時としてはこの映像と音楽の組み合わせは衝撃的だった。私はそれまで、MTVでおなじみの実写のミュージックビデオしか知らなかった。音楽も内容も面白い短編映画で、純粋なアートでもあるアニメのミュージックビデオなど初めての体験だった。

今、本作を合法的に見ようと思ったら、ニッチな音楽動画配信サービス「クエロ・コンサーツ」を利用するか、かなり以前に発売されたブルーレイやDVDを探すしかない。それでも2人がヘルメットを脱いだ今だからこそ、彼らが演奏する貴重な姿を(たとえアニメでも)見られる本作はファンとしては必見だ。

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(ダフト・パンク『ワン・モア・タイム』のMV)
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