<負傷者を出すなど、当局の強硬姿勢で事態が好転する見込みは薄い>

王室と政府に対する若者らの抗議運動が激化しているタイで、当局の締め付けが強まりつつある。デモ隊はプラユット首相の辞任と憲法改正に加えて、長らくタブー視されてきた王室改革を要求。緊張が高まるなか、タイ当局は11月24日、王室の名誉を傷つける「不敬罪」に当たる恐れがあるとしてデモ指導者ら12人に出頭を命じた。有罪になれば、最長15年の禁錮刑に処される可能性がある。

タイでは2018年に王室の莫大な資産がワチラロンコン国王の名義に切り替えられており、デモ隊はこの変更の撤回も求めている。当局は不敬罪の適用を望まないとする国王の指示を受けて、この罪の適用を2年以上見送ってきたが、今回は王室批判の大規模デモを翌25日に控えてついに摘発に踏み切った。

だが強硬姿勢によって事態が好転する見込みは薄い。11月17日のデモで当局との衝突などにより50人以上が負傷したこともあり、政府と王室への反発は一段と強まりそうだ。

From thediplomat.com

<本誌2020年12月8日号掲載>

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