しかし、西側諸国では2つの論文に批判が集まっている。ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンで遺伝子学を研究するフランソワ・バルー氏はツイッターで「薄弱な証拠に基づく声高な主張が、必要な精査や、より幅広い科学的根拠を考慮に入れることなく、各方面に伝えられている」と苦言を呈した。その上で、たとえ昨年9月にイタリアで新型コロナウイルスが存在していたとしても、必ずしもそこが起源だということにはならないと強調した。

バルー氏はロイターに対し、新型コロナウイルスに最も近似するウイルス株が中国のコウモリを介して広がったという強力な科学的根拠があり、時間軸を動かしたとしてもなお、起源は東アジア、そして恐らくは中国の可能性が最も高いと指摘。

そこから世界の他の地域に広がっていたとみられると説明した。つまり、新型コロナウイルスの起源を巡る従来の見解は、引き続き変わりようがないという。

(David Stanway記者)

[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【話題の記事】
・コロナが改めて浮き彫りにした「毛皮工場」の存在
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 ルポ ドローン戦争——無人の戦場
2026年11月3日/10日号(10月27日発売)は「ルポ ドローン戦争──無人の戦場」特集。

ドローンが空・陸・海の戦闘を支配する「新しい戦争」をウクライナの最前線で見た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます