中国建国以来、胡錦涛時代ほど「国家主席と国務院総理」が仲良かった時代はなかった。それでも胡錦涛が主催した座談会に温家宝が出席しないで、他の中共中央政治局常務委員が出席している例はいくらでもある。逆に温家宝が主催して胡錦涛が出席していないで、他の中共中央政治局常務委員が出席した座談会の例もいくらでもある。

全てが党員幹部という会議でない限り、企業家や専門家あるいは教育者など、「党外人士」による専門別の「参考意見」を聞くための座談会は、中共中央政治局常務委員会委員全員が出るということは基本的にないのが、中国建国以来の習わしだ。

それを信じることができない人は、江沢民時代の事例を見てみるといい。

たとえば2001年4月29日に江沢民国家主席が主催した「全国労働模範座談会」には国務院総理(首相)である朱鎔基は出席していない。しかし他の中共中央政治局常務委員会委員は一部出席している。これもまた7月21日に習近平が主催した企業家座談会と同じだ。

これは中国政治の基本中の基本で、毛沢東時代においても「党外人士」と座談会を何度も開催しているが、中共中央政治局常務委員が全員出席するなどという例はほとんどない。

これが中国政治の真相だ。

権力闘争論者たちは、もう少し一歩引いて勉強した方がいいのではないだろうか。

4.今年8月の李克強による重慶の水害視察に関して

8月20日から23日にかけて、李克強は重慶における水害の視察に出かけた。

一方、習近平は8月18日から20日にかけて安徽省の視察に出かけた。視察目的は安徽省の改革開放をさらに発展させようというもので、防災活動に従事している者やその犠牲者の家族などを慰問している。

さて、この報道に関して権力闘争論者たちは、以下のように分析している。

――8月20日から23日まで、李克強の重慶視察に関して「人民日報、CCTV、新華社」という三大報道で一切報道しなかった。せいぜい国務院直属の「中国政府網」で報道させたに過ぎない。おまけに李克強は長靴を履いて泥にまみれているのに、習近平は災害が終わった後にのんびりと視察したという風情だ。これこそは「習近平vs.李克強の権力闘争」の決定的な証拠だ!

概ねこのような内容で分析し、大喜びなのである。

李克強の扱いが小さい?