ヤフーは同社が提供する電子商取引(EC)サービスで象牙製品の取引を禁止する方針を決めた。関係筋が明らかにした。

大手ECサイト上での象牙取引を巡っては、楽天とメルカリがすでに禁止している。ヤフーも禁止にかじを切ったことで、国内取引を容認している日本政府への国際的な批判が一層強まる可能性がある。

28日に発表する。

現在、スイス・ジュネーブで開かれているワシントン条約締約国会議でも象牙取引が議論されており、21日の委員会では日本など象牙の取引市場を維持する国に、違法取引を防ぐ対策の実施状況を報告するよう求めることで合意した。

諸外国では、象牙の最大の消費国である中国をはじめ、米国やフランス、シンガポールなど取引市場を閉鎖する国が相次いでいる。こうした中、日本は密輸や違法取引には関与していないとして国内市場を維持しており、ヤフーも政府と歩調を合わせる形で取引の場を提供してきた。

ヤフーはこれまで「日本の象牙取引はアフリカゾウの密猟には直接的には関係していない」と主張。同社が提供するオークションサービス「ヤフオク!」などで取引されている象牙は過去に合法的に輸入されたものだと訴えてきた。

これに対し、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が、ヤフーが象牙取引を容認していることで、国際的な違法取引の供給源になるリスクがあるとして、2018年9月に取引停止を求める要望書を24の国・地域のWWFと連名で提出。国際的な批判が強まっていた。

実際、ヤフオクで取引された象牙が中国に違法に輸出された事件も発生している。ヤフーは取引自体は適法でもこうした事件が発生したことや昨今のプラットフォーマーを取り巻く環境、象牙取引をめぐる国際的な流れなどを踏まえ、取引を禁止する方針を決めた。11月1日から実施する。

(志田義寧 サム・ナッセイ)

[東京 28日 ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 米中の興亡
2026年5月26日号(5月19日発売)は「米中の興亡」特集。

首脳会談で合意した「建設的戦略安定関係」で優位に立つのは、アメリカか、中国か

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます