Maki Shiraki
[東京 8日 ロイター] - 宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は8日、米航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービスの新たなプログラム「CLPS2」において、米国法人(コロラド州デンバー)が主契約者として提案・入札に参加できる事業者の1社に選定されたと発表した。NASAが同日、同社を含む8社を公表した。
米国法人は今後、主契約者としてNASAが個別に公募する月への物資輸送案件の入札に参加できるようになる。従来のプログラム「CLPS1.0」では同社は主契約者となる米国企業の下請けだったが、今回は主契約者として提案からミッション実施までを主導する立場となって受注獲得を目指す。
CLPS2は、NASAが将来の有人月面探査を見据え、月の南極に持続的な活動拠点を構える月面基地構想(ムーンベース計画)を支える商業輸送の新たな枠組み。科学、探査、技術実証、インフラ関連の物資を月面に輸送するサービスを米国の民間企業から調達する。契約上限額は基本発注期間の今後10年間では100億ドル(約1.5兆円)。
今回選ばれたのは同社米国法人のほか、スペースX、ブルーオリジン、ファイアフライ・エアロスペース、インテュイティブ・マシーンズ、ロッキード・マーチン・スペース、ノースロップ・グラマン・スペース・システムズ、ボイジャー・テクノロジーズの計8社。
受注が確定したわけではなく、案件ごとに入札を経る必要があるが、ispaceの袴田武史CEO(最高経営責任者)は、NASAという大きな市場に「直接アクセスが可能なポジションを獲得した」と述べた。
同社はこれまで自社で2023年4月と25年6月の2回、月面着陸に挑んだが、いずれも失敗している。同社は今回の選定について、2度の挑戦を通じて培った月面着陸に向けての技術開発力やミッション運用能力が「一定の評価を獲得したことを示すもの」(広報)としている。