Miho Uranaka
[東京 27日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の吉澤裕介最高投資責任者(CIO)は27日、全国銀行協会のイベントに登壇し、株式運用ではTOPIXをベンチマークとした運用を基本としつつ、「上場株式のアクティブ運用やオルタナティブ投資などを通じて、ベンチマーク外の企業にも幅広く投資機会を探ることが重要」との考えを示した。
ただ、ベンチマーク外への投資はベンチマークに対する追加的なリスクを能動的に取ることであるため、「そのリスクに見合う超過収益や分散効果が期待できるかを、国内外のさまざまな投資機会と比較して判断する必要がある」と語った。特にプライベート市場では、公正な評価や情報開示、パフォーマンスデータなど、投資判断を支える市場インフラの整備が重要だと指摘。日本のプライベート市場はとりわけ、データ整備が今後の課題だと語った。
吉澤氏によると、GPIFの運用資産の約98%は上場市場での運用だという。長期の資金を運用するため再現性が求められ、投資はデータや定量的な根拠に基づいて行う必要があると同氏は説明した。
上場市場とプライベート市場を一体で比較することは容易ではないが、まずは欧米並みの水準にデータを整えていくことが必要との認識を示した。そうした環境が整い、さまざまな投資機会がグローバルに比較評価されることで、日本市場が長期資金に継続的に選ばれる市場になっていくことを期待しているとした。
GPIFの基本ポートフォリオは国内外株式と債券の4資産それぞれについて25%を目標としており、資産ごとに5─6%ポイントの乖離が認められている。2025年度末のオルタナティブ資産の時価総額は5兆2067億円で積立金に占める割合は1.7%だった。