Ann Saphir

[26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は、27-28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を現行の3.75-4.00%に維持する見通しだ。ただインフレへの懸念は依然として強く、利上げ休止期間は長続きしない、というのが投資家の見方だ。

FOMCの翌日、29日に発表される9月の個人消費支出(PCE)物価指数と第3・四半期国内総生産(GDP)速報値は、追加利上げ観測を支える内容になるだろう。原油価格だけでなく幅広い分野で物価上昇圧力が強まりPCE物価指数は上振れし、GDP速報値は人工知能(AI)需要を背景とした企業投資の拡大と堅調な個人消費に支えられて成長が加速するとみられているからだ。

労働市場も安定を維持している。失業率は9月が4.2%で、週間の失業保険申請件数は歴史的な低水準にある。

市場関係者からは、9月の利上げ後に10年債利回りが急上昇していなければ、今週も追加利上げが実施されていた可能性が高いとの声が聞かれる。

ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボスティアンシッチ氏は「データは利上げを支持している。経済、消費者、労働市場はいずれも強く、インフレは悪化した」と述べた。ただ、多くのFRB高官が10年国債利回りの上昇に警戒感を強めたと分析した。金利上昇はFRBが想定していた以上に景気を冷やす恐れがあり、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やジェファーソンFRB副議長ら有力当局者は、追加データを見極めるため当面は様子見できるとの考えを示している。

こうした発言を受け、市場では利上げ観測が後退。金利先物市場では先週末時点で、今週のFOMCで金利が据え置かれる確率が90%と想定された。 

11月3日に予定される米中間選挙を控え、ウォーシュFRB議長には難しいかじ取りが求められている。

EYパルテノンのチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「ウォーシュ氏は金利据え置き判断が政治的なものではないことを示さなければならない」と指摘した。インフレや高金利による生活費上昇は有権者の大きな関心事であり、FRBの決定は与野党いずれかに有利と受け止められる可能性があるためだ。

ダコ氏はウォーシュ氏が将来の利上げの可能性を残す姿勢を示す必要もあるとみる。「追加利上げの可能性に言及しなければ、FRBのインフレ抑制への信頼性が損なわれ、長期金利の急上昇を招く恐れがある」と警告した。

もっともウォーシュ氏は将来の金融政策方針を示す「フォワードガイダンス」に否定的とされ、ダコ氏を含めて複数の市場関係者はウォーシュ氏が多くを語らない公算が大きいと予想している。

先週後半にはAI需要の持続性への懸念から株式市場が下落し、国債利回りが低下。金融環境の引き締まりを利上げ見送りの根拠の1つとしてきたウォーシュ氏にとっては、状況を複雑にする変化となっている。逆に平均時給の伸び率が過去6カ月間にわたりインフレ率を下回るなど、賃金上昇圧力が限定的であることも据え置きの根拠となり得る。

9月のFOMC議事要旨では、多くの政策担当者が前回利上げをインフレ再加速への「保険」と位置付けていたことが明らかになった。中東情勢が改善すれば、インフレ圧力も和らぐ可能性があるとの見方も示されていた。

それでもBMOのチーフ米国エコノミスト、スコット・アンダーソン氏は「(今回のFOMCは)市場の想定以上にぎりぎりの判断になるだろう」と指摘。クリーブランド地区連銀のハマック総裁らタカ派の委員が据え置きに反対票を投じる可能性があるとみている。

アンダーソン氏の見立てでは、FRBはインフレ抑制のため今後さらに2回の利上げを実施するという。

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