Lisa Baertlein
[ロサンゼルス 26日 ロイター] - 今年の米国年末商戦の小口貨物配送料金は過去最高となる見通しだ。ディーゼル燃料(軽油)価格の高騰でUPSとフェデックスが燃油サーチャージを引き上げており、米小売業者に逆風が吹いている。しかし、配送コスト上昇は、単純に燃料価格の問題だけではなさそうだ。そこには運送会社のサーチャージ算出方法変更という要因が働いているという。
年末商戦に関連する荷物量は第4・四半期に倍増することもある。大手小売業者を含む荷主1800社の匿名化データを分析したTDコーエン/AFS貨物指数によると、同四半期の陸送料金は、ネット通販購入品を含め、前年同期比で5.8%上昇、速達便は13.8%上昇する見通しだ。同指数は、小口貨物のコストは重量やサイズ、配送先によって異なるため、金額ではなく変化率を示している。
米エネルギー情報局(EIA)によると、10月19日時点の米国の路上用ディーゼル燃料の平均価格は1ガロン=6.28ドルだった。米国とイスラエルが2月28日にイランを攻撃して以降、65%上昇したことになる。
AFSロジスティクスのチーフアナリティクスオフィサー、ミンシュ・ベイツ氏は「燃料は誰にとっても最大の関心事だが、良い材料は見当たらない」と述べた。
<運送会社の算出方法変更がコスト押し上げ>
小売業者が頭を痛める輸送コスト。拍車をかけているのは、運送会社の算出方法の変更だ。
ベイツ氏によると、燃油サーチャージコストのうち軽油価格の上昇による分は30%弱にすぎない。UPSやフェデックスなど業界大手が算出方法を変更したことにより、サーチャージは燃料価格よりもはるかに速いペースで上昇し、燃料価格が上がらない場合でも上昇しているという。
例えば、2021年第1・四半期に軽油価格が2.91ドルだった時、同指数で燃油サーチャージは基本配送料金の7.75%だった。仮に軽油価格がこの水準まで下がったとしても、現在の燃油サーチャージは23.75%と約3倍になる。燃油サーチャージの算出方法の変更が運送会社の収入を増やし、小売業者のコストを押し上げる構図だ。
各社のサーチャージ表に基づくと、EIAの平均価格である6.28ドルでは、UPSの燃油サーチャージは29.5%、フェデックスは29%となる。
UPSは、料金設定は同社の質の高いサービスとインフラ投資を反映していると説明した。フェデックスはコメント要請に応じていない。両社は今週、四半期決算を発表する予定だ。
重いサーチャージ負担を小売業者はただ受け入れているだけなのか。
オントラック、ゴーフォー、ユニユニ、ジツ、ビーホなどは急成長中の配送会社だ。配送追跡・管理会社シップマトリックスのサティッシュ・ジンデル社長によると、米国の人口の約70%をカバーしており、年末商戦期の荷物量の増加に対応するため、輸送能力も増強している。「輸送費を減らしたい多くの荷主に採用されている」という。
とはいえ、こうした企業の一部も高額な燃油サーチャージを導入している。オントラックが公開しているサーチャージ表によると、10月25日までの1週間の同社の西海岸のサーチャージは29.5%だった。
輸送コストを抑えるために、米郵政公社(USPS)やアマゾン・ドット・コムの物流部門を使う手もある。USPSは4月、大半の荷物に初めて8%の燃油サーチャージを課した。アマゾンも同じ月に、出品者向けのフルフィルメント手数料に3.5%の燃料・物流関連サーチャージを上乗せし始めた。
ただ配送会社の切り替えにはデメリットもあるとアナリストは指摘する。配送を複数社に分けると取扱量に応じた割引効果がなくなる可能性がある。また、年末商戦期の配送計画は数カ月前に決まるため、直前の変更は難しいという。JPモルガンのアナリストは、アマゾンが近いうちにUPSとフェデックスの市場支配を崩す可能性は低いとの見方を示した。