Jonathan Cable

[ロンドン 23日 ロイター] - S&Pグローバルが発表した10月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.9と、前月の53.1から低下し、6月以来の低水準となった。エネルギー価格の上昇に伴うコスト増に加え、フランスの落ち込みが響いた。

ロイター調査では52.7への小幅低下が予想されていた。PMIは50を上回れば景況拡大を、下回れば悪化を示す。

オックスフォード・エコノミクスのロリー・フェネシー氏は「春から夏にかけてユーロ圏経済は予想を覆したものの、10月の速報PMIはセンチメントが今後どれほど改善し得るかという点に若干の冷や水を浴びせる結果となった」と指摘。「フランスの不安定な情勢がユーロ圏全体に重くのしかかっており、財政状況の悪化に伴い、政府の借入コストはさらに上昇している」と述べた。

フランスの企業活動は予想外に縮小した。政治的な不確実性の高まりや経済的圧力に起因する財・サービス需要の落ち込みを反映している。

ドイツでも民間部門の成長は鈍化した。

英国のPMIは堅調さを示し、企業活動は2月以来の高水準を記録した。

ただ、英国立統計局(ONS)が発表した9月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.4%減と、市場予想を上回る落ち込みとなった。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「全体の減速の主な要因は、今月インフレ圧力がさらに強まったことだ」と指摘した。「仕入れコストが再び急上昇している。製造業ではエネルギー価格の上昇を背景にコストの上昇率が急激に高まり、企業は利益率を守るため販売価格を引き上げている」と述べた。

仕入れコストの上昇は2カ月連続で加速した。エネルギーや燃料、輸送コストの上昇が背景にある。ただ企業の販売価格の引き上げペースは9月より鈍く、利益率がやや圧迫されていることがうかがえる。

ウィリアムソン氏は「金利上昇の影響も出始め、需要を抑えている。10月のPMI速報値は、成長が続く一方でインフレが高止まりしている状況を示しており、欧州中央銀行(ECB)が一段と積極的に引き締めるとの観測を強める可能性が高い」と述べた。

キャピタル・エコノミクスのハリー・チェンバーズ氏は「製造業者はエネルギー価格の上昇による圧迫を引き続き感じているものの、二次的効果を示す証拠は依然としてほとんど見られず、これはECBにとって心強い材料となるだろう」と語った。

ユーロ圏の企業景況感は5カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。特に製造業で楽観的な見方が大きく後退した。

財政面の圧力と政治の混乱に見舞われるフランスでは、悲観的な見方が際立った。同国のPMIは経済活動の縮小を示し、企業景況感は新型コロナのパンデミック期を除くと2012年以来の低水準となった。

<新規輸出受注は増加>

新規受注は4カ月連続で増加したが、この間で最低となった。製造業、サービス業ともに小幅な伸びにとどまった。新規輸出受注は3カ月連続で増加。4年半近くにわたり毎月減少していた状況からの明るい兆しとなり、伸び率は新規受注全体を上回った。

サービス業PMI速報値は51.7と、9月の53.0から低下し、2カ月ぶりの低水準となった。ロイター調査の予想は52.5だった。総合PMIの算出に使われる製造業生産指数は53.6から52.4に低下し、4カ月ぶりの低水準となった。

製造業PMIは52.9から52.4に低下した。

雇用は過去2カ月の小幅増から、ほぼ横ばいとなった。サービス業の雇用の伸びは5カ月ぶりの低水準に鈍化し、製造業の雇用者数は2カ月間の増加を経て小幅に減少した。

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