※トランプ大統領の再就任で、アメリカはどこへ向かうのか。連載「トランプのアメリカはどこへ向かう」では、11月の中間選挙をはじめ、国内政治から経済、外交・安全保障まで、トランプ政権の動向と世界や日本への影響を読み解きます。 

2029年1月20日の正午、82歳のドナルド・J・トランプは、よほどのことがない限り、今度こそ完全にホワイトハウスを去る。アメリカ大統領を(連続してではないが)2期務めたトランプは、合衆国憲法の規定により、3期目を目指す大統領選挙に立候補できないからだ。

今年11月3日の中間選挙はさまざまな面でトランプ政権2期目の終わりの始まりとなるが、トランプは共和党を自らの意思に全面的に従わせた半面、退任後も残る組織を築くことには全くと言っていいほど力を注いでこなかった。この大統領は共和党をかつてなく大きくした一方で、党の輪郭をかつてなく曖昧にした。

トランプを熱烈に支持するMAGA(アメリカを再び偉大に)派には、トランプのソーシャルメディアでの発信以外のインフラがほぼ存在しない。献金者はいるが、トランプ個人に忠誠を誓う巨額献金者ばかりだ。

ロナルド・レーガン元大統領が築いた政治的連合体は、レーガンの退任後にもシンクタンクや司法界への人材供給網、メディア組織を残したが、MAGA派はそのような形で制度化されていない。もっとも、ソーシャルメディアで最も強い発信力を持つ者が有権者の関心の争奪戦を制し、政策や手続きは選挙が終わった後で考えればいいという時代には、制度化は必要でないのかもしれない。

「これまではトランプが結束を生み出していたが」と、共和党系の政治コンサルタントのマイク・マドリードは本誌に語る。「トランプが去れば、ばらばらになるだろう」

一方、やはり共和党系の政治コンサルタントのマット・クリンクは、MAGA派が制度化されていないとは考えていない。

有権者との絆を引き継げる?
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