Amy-Jo Crowley
[ロンドン 8日 ロイター] - 英公共放送のBBCとチャンネル4が、一部事業の統合に向けて政府と予備的な協議を行っている。事情に詳しい関係者2人がロイターに明かした。実現すれば、英国の公共放送業界にとって大規模な再編となる。
協議されている案の一つでは、チャンネル4の広告事業や「E4」「Film4」などのチャンネル、動画配信サービスを、BBCの商業子会社UKTVと統合することが検討されている。
関係者の話では、新たに想定される事業体はBBCとチャンネル4がそれぞれ50%ずつ保有する形。これは、BBCのマット・ブリティン総裁がこれまで示してきた、BBCの動画配信サービス「iPlayer」でチャンネル4のコンテンツを提供する構想よりも踏み込んだ提携だ。
協議は、BBCが政府との新たな資金調達制度の交渉で進展を得られれば、来年さらに活発化するほか、共同事業に組み入れる資産の範囲も拡大する可能性があるという。
一方、検討中の共同事業にはチャンネル4の主力地上波チャンネルは含まれない見通しで、同チャンネルは共同事業から手数料を受ける取る可能性がある。
こうした動きの背景には、従来型テレビ視聴の減少や、大手動画配信企業による広告市場シェア拡大を受け、両放送局がコスト削減と将来の事業基盤強化を目指しているという事情がある。
BBCの広報担当者は直接のコメントを控えたものの「競争の激しい世界市場で業界が成長し続けるためには、公共サービス放送事業者同士の連携強化が重要だと考えている」と述べた。
チャンネル4の広報担当者は「公共サービスメディア間の連携強化を支持しており、協力によって英国放送業界の影響力、革新性、持続可能性を高められると考えている」と説明した。また、両社はUKTV向け広告販売や、チャンネル4の配信サービスなどで既に協力関係にあると付け加えた。
専門家の1人はBBCスタジオとチャンネル4の提携案について「繰り返し浮上しては消える構想だ」と指摘。BBCスタジオが将来的にチャンネル4の受け皿となる可能性はあるとしつつも、3月にチャンネル4の最高経営責任者(CEO)に就任したプリヤ・ドグラ氏が、スカイダンス傘下のチャンネル5の広告販売業務を獲得するなど、経営基盤の強化を進めており「チャンネル4は経営不振に陥っている状況とは程遠い」と述べた。
チャンネル4は政府所有だが広告収入で運営されている。一方、BBCは公共所有で、主にテレビ受信世帯が支払う受信料によって資金を得ている。