Balazs Koranyi
[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が8日に公表した9月9─10日のECB理事会の議事要旨で、エネルギー価格の極めて大きな変動と広範な不確実性を踏まえ、インフレリスクは一段の上振れに傾いているとの認識で全員が一致した。
ECBは同理事会で、政策金利を0.25%ポイント引き上げると決定した。
インフレ率は既に目標の2%のほぼ2倍に達し、エネルギー高の影響でさらに上昇する可能性があるため、市場はあと2─3回の利上げを見込んでいる。
理事会は、エネルギー高が他の財・サービス価格や賃金へ波及する「間接効果」や「第二次波及効果」を警戒した。ただし現時点では、賃金の大幅な加速や広範な物価上昇が明確に生じたとは言えないという評価も示された。
経済見通しについては、リスクは依然として下方に偏っているとはいえ、以前よりもバランスが取れているとした。
ただ、金融市場の急激な調整がなくても、世界的な人工知能(AI)ブームの勢いが鈍化するだけで、世界需要と純輸出を通じた波及効果によりユーロ圏の成長見通しに重しとなるのに十分だとの主張もあった。
さらに、長期金利のさらなる上昇は成長に悪影響を及ぼす可能性があるとの指摘もなされた。
財政見通しについては、最近の政府支出の増加と長期国債利回りの上昇は、時間の経過とともに脆弱性を高める可能性があると示唆。健全な公的財政を維持することが重要だとし、エネルギーショックへの財政対応は一時的かつ的を絞ったものであるべきと指摘された。
ユーロ圏の長期利回りは7月の理事会以降、上昇している。これについては、長期ゾーンにおける最近の動きは、主に実質ターム・プレミアムの上昇によって引き起こされたように見え、これは官民の債務発行の増加と財政見通しに関する不確実性によって説明できる可能性があるとした。
7月理事会以降の市場金利の上昇については、世界的な長期利回りの動向とその要因の双方を分析し、金融状況、公的財政、マクロ経済を含む利回りの緩やかな上昇の影響を理解し、さらなる動向を評価することが重要だとした。