(会社側の申し出により、2段落目の「30年」を「20年」に訂正します)

Miho Uranaka Anton Bridge

[東京 7日 ロイター] - 野村アセットマネジメント(野村AM)は、運用力強化につながる評価・報酬体系に見直す。短期的な運用成績に左右されにくい評価体系に改め、長期的に安定して超過収益を生み出す力を重視する。今年4月に社長に就任した大越昇一氏はロイターとのインタビューで、グローバルな競争を勝ち抜くには「運用力が一丁目一番地」と語った。

JPモルガン・アセット・マネジメントで20年(訂正)以上の経験を持つ大越氏は、「運用会社の成功要因は運用力、提案力、訴求力の3つだが、その中で最も大事なのは運用力。これがなければ廃業すべきだ。それほど真剣に取り組む必要がある」と強調した。

具体的には、運用担当者のパフォーマンスを評価する期間を、従来の1年、3年、5年から3年、5年、10年に長期化する。短期の運用成績に評価が左右されれば、企業の成長性を見極めて投資するアクティブ運用本来の役割を損ないかねないとの問題意識がある。

大越氏は、従来の仕組みでは「1年のウエイトが意外と高くなる」と指摘。「企業の成長とエンゲージし、潜在的な力を先に見抜いて応援するのがアクティブ運用の本質だ」とし、「短期の相場のブレに惑わされず、再現性のある形でアルファ(超過リターン)を出してほしい」と語った。

報酬についても成果主義を一段と徹底する。大越氏は「ペイ・フォー・パフォーマンスをさらにメリハリのあるものにする」と述べ、優秀な人材を確保・定着させるため競争力のある給与水準を維持する一方、運用成績に応じた報酬の差を明確にする方針だ。

<買収生かしグローバル展開>

親会社の野村ホールディングスは資産運用事業のグローバル展開を加速している。昨年12月にはマッコーリーの米欧パブリック資産運用事業を18億ドル(約2600億円)で買収し、現在は野村アセットマネジメント・インターナショナル(野村AMI)に統合している。

大越氏によると、買収後の統合効果は商品展開に表れ始めている。野村AMIが強みを持つ新興国株式の運用商品を今年4月に公募投信として国内で投入し、残高は2000億円を超えた。

大越氏は、野村AMと野村AMIは強みを持つ商品や地域が補完関係にあると説明。海外の商品を日本に取り込む「輸入」にとどまらず、「われわれの得意とする日本株やアジア株を米国の販路に乗せる『輸出』も現在進行形で取り組んでいる」と話した。日本国債や社債への投資需要拡大にも期待を示した。

一方、世界市場で存在感を高めるには、米国のリテール市場での事業拡大が課題となる。野村AMは運用資産規模で国内最大手だが、マッコーリーの事業買収後も世界ではトップ40入りしたに過ぎない。大越氏は「さらに目線を上げて、世界水準に向けて挑戦するフェーズに入っている」と語った。

※インタビューは1日に実施しました。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。