[シンガポール 5日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落に転じた。中東からの原油輸出増加と主要7カ国(G7)による石油備蓄放出が供給拡大につながるとの見方が広がった。中東紛争を巡り、湾岸地域の石油インフラへのさらなる被害を懸念する声は依然として根強いものの、売り圧力が優勢となっている。
0115GMT(日本時間午前10時15分)時点で、北海ブレント先物は0.35ドル(0.34%)安の1バレル=101.90ドル。米WTI先物は0.62ドル(0.68%)安の90.49ドル。
G7は2日、緊急備蓄からディーゼル燃料と原油合わせて1億バレルを協調放出することで合意するとともに、トランプ米大統領からの圧力を受けてエネルギーの輸出制限を控えることを確約した。
海運データによると、ホルムズ海峡を通過する船舶への攻撃が続いているにもかかわらず、中東からの原油輸出は9月最終週の7日間のうち4日間で米・イスラエルの対イラン戦闘開始前の水準を上回った。G7の備蓄放出は、こうした中東産原油の輸出増と相まって供給拡大要因となる。
KCMトレードのチーフアナリスト、ティム・ウォーターラー氏は「G7による戦略備蓄放出の決定が目先の供給不安を幾分和らげている。また、サウジの輸出量が戦闘開始前の水準に戻りつつあるとの見方も強まっている。輸送コストが高く効率の悪いルートを経由しているとはいえ、量は回復しているとの指摘だ」と述べた。さらに「湾岸地域のエネルギーインフラへのさらなる被害リスクは消えていないものの、こうした要因の組み合わせで当面は価格が抑制されるだろう」と語った。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は4日、過去12時間にサウジ主導の連合軍がイエメンに対して50回の空爆・ミサイル攻撃を行ったことへの報復として、サウジの首都リヤドおよび東部クライス地区にある国有石油会社サウジアラムコの施設に弾道ミサイルとドローン(無人機)を発射したと発表した。サウジ当局からの確認は得られていない。nL6N45P07R
これとは別に、サウジアラムコは11月積みのアジア向け原油価格を予想外に引き下げ、過去6年間で最低水準とした。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、加盟国の2027年の原油生産枠の決定を延期した。関係筋2人が明らかにしたもので、紛争で中東全域の生産能力拡張計画が頓挫し、将来の生産ポテンシャルの見積もりが不透明になったためという。