Marc Jones
[ロンドン 2日 ロイター] - 米JPモルガンは2日、トルコは最近のファンド危機が2026年の経済成長に「重大な下振れリスク」をもたらすとの見方を示した。
トルコ金融市場では先月、資産運用会社テラ・ポルトフォイが運用する複数のファンドが、投資家からの解約請求に応じられなくなったことで問題が表面化。影響が国内の他の多くの資産運用会社にも急速に広がり、規制当局が介入する事態となった。
JPモルガンは調査リポートで、「ファンドを巡る混乱が2026年第4・四半期の経済活動を下押しする見通しで、26年の国内総生産(GDP)成長率を3%とする当社予想には重大な下振れリスクがある」と指摘。「今後発表される先行指標を引き続き注意深く監視する。景気の弱さの長期化が明らかになれば、成長率予想を引き下げるというスタンスを維持している」とした。
米大手金融機関がファンド危機によるトルコ経済への重大な打撃の可能性について警告を発したのは今回が初めて。
シムシェキ財務相は1日、問題は限定的な範囲にとどまっており、システミックリスクは回避されたとの認識を示している。
JPモルガンのアナリストによると、問題の影響を受けたファンドが保有する資産は合計183億ドルに上る。これはトルコの投資ファンド業界全体の10%に相当し、家計が保有する金融資産総額6000億ドルの3%に当たる。影響を受けた資産のうち約60億ドルはマネー・マーケット・ファンド(MMF)に投じられており、これらは資金を回収できる可能性が比較的高い。一方、残る120億ドルはヘッジファンドと株式ファンドに投資されている。
JPモルガンは、トルコ当局が問題発生後に迅速に対応したことから、今回の混乱が「金融システムの安定性を脅かすリスク」につながるとはみていない。しかし、影響を受けた投資家が一時的に貯蓄を引き出せなくなることで、個人消費と消費者心理が悪化することが、経済への波及経路になると分析した。
JPモルガンは、こうした兆候はすでに現れ始めていると指摘。信用供与の伸びや自動車販売が減速しているほか、国内企業は市場の混乱を受けて社債発行を見合わせており、新規株式公開(IPO)も当面困難な状況になっているとした。