[アンカラ 22日 ロイター] - 11月にトルコで開かれる国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議(COP31)のムラト・クルム議長(環境都市気候変動相 )は22日、会合の行動計画(アクション・アジェンダ)をニューヨークで開かれた国連会合で発表した。既存の気候公約を事業や測定可能な成果へ転換することを目指し、2035年までに最終エネルギー消費に占める電力の割合を35%に引き上げることなどを目標に掲げた。
クルム氏は、「対話、合意、行動」を基盤とし、新たな公約ではなく、既存の公約の実行に重点を置くと説明した。
行動計画は10のテーマを対象とする。クリーンエネルギーと電化、廃棄物ゼロとメタン排出削減、気候変動に強い都市、グリーン産業化、若者と教育、食料安全保障、海洋、保健システム、生物多様性と土地利用の相乗効果、各国の気候計画の実施が含まれる。
35年までに建物のエネルギー利用原単位を少なくとも25%削減し、世界の循環型資源利用率を少なくとも15%に引き上げる目標も盛り込んだ。クルム氏は、これらの目標により35年までに世界の二酸化炭素(CO2)排出量を85億─100億トン削減できる可能性があると述べた。
クルム氏は「実行とは、単により多くの公約を発表することではない。既存の公約を現場で測定可能な結果に変えることだ」と指摘。「資金へのアクセスを促進し、能力を強化し、技術と投資を実際のニーズに結び付ける必要がある。実行を加速する形で協力も強化しなければならない」と語った。
また、後発開発途上国の産業化ニーズと、これらの国々が特定した事業機会を、既存の技術、専門知識、資金に結び付ける「グリーン産業化促進メカニズム」を立ち上げる計画も示した。同メカニズムは、COP31が各国の気候公約を投資可能な事業に転換することを目指して提案したより広範な仕組み「気候実施ブリッジ」に続く取り組み。新たな資金調達の枠組みを創設するものではなく、「ニーズを事業へ、事業を技術と資金へ、さらに投資と生産能力へ」つなげる支援を行うという。
COP31ではこのほか、グリーン貨物輸送回廊、産業の脱炭素化、後発開発途上国、人工知能(AI)とクリーン技術、循環性、省エネ建築、海洋、食料安全保障、気候変動に強い保健システムを対象とする複数の新たな取り組みを開始する。
10月にフィジーで開かれるCOP前会合でも行動計画を巡る協議を続けるという。
COP31は11月9─20日、トルコ南部アンタルヤで開催される。トルコが議長国と行動計画を担い、オーストラリアが正式交渉を主導する枠組みとなっている。