Foo Yun Chee
[ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は9日、観光地を中心に深刻化する住宅不足への対応として、民泊仲介大手エアビーアンドビーなどの短期住宅賃貸サービスに対する規制の共通枠組みを提案した。加盟国や欧州議会の承認を経て法制化を目指す。
欧州各地では短期賃貸住宅の増加を受け、パリやバルセロナ、ベネチアなどの自治体が独自規制を導入しているが、制度の違いから法的紛争も発生。住宅価格の上昇や手頃な住宅の不足に対する不満が高まり、とりわけ若者を中心に抗議活動も広がっている。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「1年前に欧州の住宅取得可能性の問題に取り組むと約束した。今回、地域の実情に根ざした形で自治体や地域社会への支援と明確化を進める一歩を踏み出す」と述べた。
提案では、住宅市場が逼迫している地域を特定するための初のEU共通基準を導入する。所得に対する住宅価格の比率が高い場合や、その比率が過去10年間に上昇傾向を示している場合などを判断材料とする。また短期賃貸への規制を導入する際には、十分な証拠に基づき、必要かつ対象地域に限定した措置としなければならないと規定。規制のさかのぼっての適用も認めない。
実際に規制措置を講じるかどうかは各自治体の判断に委ねる。また住宅供給の拡大に向けて、住宅用地の確保や都市計画・建設手続きの近代化も加盟国や自治体に促している。
エアビーアンドビーは声明で、住宅問題の根本原因は住宅供給不足にあると指摘。同社のEU担当政府渉外責任者を務めるジョージ・マブロス氏は「政策は建設や改修の促進、欧州各地で空き家となっている住宅の活用といった、本当の供給不足問題に焦点を当てるべきだ」と述べた。
業界団体CCIAヨーロッパの政策責任者アレクサンドル・ルーレ氏は、自治体が規制の妥当性を自ら判断する仕組みを問題視した上で「独立した審査や実効的な不服申し立て手段がなければ、この提案は形だけのものに終わりかねず、不均衡な規制が維持され、住宅取得可能性法の目的である法的安定性も損なわれる」と批判した。