[ロンドン 9日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムは9日、初のポンド建て社債を発行し、計42億5000万ポンド(57億6000万ドル)を調達した。人工知能(AI)関連投資の拡大を背景に、巨大クラウド事業者(ハイパースケーラー)が資金調達手段の多様化を進める動きの一環だ。
市場関係者によると、今回の起債に対する最終需要は106億5000万ポンド超に達した。主幹事団が発行条件をややタイト化する前には約120億ポンドの需要を集めていた。発行額の内訳は、3年債が12億5000万ポンド、6年債、12年債、19年債がそれぞれ10億ポンド。利回りは3年債がおよそ5.2%、19年債がおよそ6.7%となった。
アマゾンはこれまでユーロ建てやスイスフラン建て、カナダドル建ての債券市場を活用しており、英ポンド建てが新たな調達手段として加わった。
英ポンド市場ではグーグル親会社アルファベットが2月に55億ポンドを調達し、100年債を含む5本立ての起債を実施。需要は発行予定額の約5倍に達した。一方、アマゾン債への需要は発行額の約2.5倍にとどまった。アマゾンとしての起債は7月以来で、過去の発行分と比べても需要は弱くなった。
トゥエンティーフォー・アセット・マネジメントのパートナー、ゴードン・シャノン氏は「需要が無限ではないことを示している」と指摘。ハイパースケーラー各社による継続的な借り入れに対する投資家の警戒感が背景にあるとの見方を示した。
こうした大規模な資金調達は今夏以降、投資家需要の限界を試す状況となっており、社債市場全体にも影響を及ぼして、借り入れコストは足元で上昇している。