Julia Payne

[ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は9日、公共調達の手続きを大幅に簡素化し、EU全域を単一市場として取り扱いやすくする新たな規則案を発表した。安全保障やサプライチェーン(供給網)の強化に役立てるとともに、「欧州製品優先」の基準を設けて域内の産業保護につなげる狙い。

公共調達はEUの域内総生産(GDP)の約15%を占め、2025年には約2兆5000億ユーロ(2兆9100億ドル)に達した。これを有効に活用できていないとして、欧州中央銀行(ECB)の前総裁マリオ・ドラギ氏などが改善を求めていた。入札参加企業からも、重複した手続きなどに関して不満の声が出ていた。

新規則では契約発注の際、重要インフラやサイバーセキュリティー、供給網、外国の影響力に関連するリスクについて考慮することが奨励もしくは義務付けられる。防衛を除く全分野が対象で、EU加盟各国はそれぞれ、欧州産の製品などの割合に基づいて入札を制限することが可能となる。

従来見られていたコストを主な判断基準とする契約を改めることで、補助金を受けるなどした中国企業からの安価な製品の流入に対抗する。「価格と品質のバランスが最良であるかどうか」の基準に基づき、品質が総合評価の少なくとも30%、労働集約的な場合には50%以上を占めることを求める。全面的な「欧州製」優遇ではないものの、当局が、契約総額に占める欧州産の割合が50%未満の入札を排除することや、EUの事業者だけに制限すること、戦略分野でEU企業を優遇することが可能となる。

欧州委のセジュルネ上級副委員長は記者団に「中国やインド、米国など主要国が自国の産業・経済戦略に公共調達を活用している今、これは戦略的な手段になる」と指摘した。

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