[ドバイ 6日 ロイター] - イラン当局者は、米国の制裁で生じた問題に対処する取り組みを強化すると表明した。また、さらなる攻撃を受ければ「痛みを伴う報復」を行うと警告した。
両国の間では8月の大半は軍事行動が小康状態にあったが、このところ応酬が再開している。5日には米軍がイランの主要石油輸出拠点であるカーグ島沖などで同国の石油タンカー3隻を攻撃、イランはホルムズ海峡の未許可ルートを航行していたタンカー3隻を標的にしたと発表した。
こうした攻撃を受け、イランのガリバフ国会議長は6日、米国は「手遅れになる前に」ゲームのルールが変わったことを理解すべきだと警告。
通信アプリ「テレグラム」のチャンネルで公開した演説で「今後、イランの利益や安全に対するいかなる攻撃も、より迅速かつ強力で、より痛みを伴う報復を受けることになる」と述べた。
国営メディアによると、イラン最高安全保障委員会のレザイ事務局長は6日、数日中にホルムズ海峡の外側に制限区域を設定すると明らかにした。
制限区域にはペルシャ湾内の海域も含まれ、区域内に進入した船舶は制裁リストに追加されると述べた。
<制裁と石油封鎖が経済を圧迫>
一方、イラン政府高官3人によると、米国がイランの石油輸出を封鎖し、制裁回避を阻止することで経済的な締め上げを強化する中、この圧力に耐え続けることが一層難しくなってきている。
ガリバフ氏は6日の演説で、軍事面と並行して、イランの主要な戦いは今や生産と国民の生活を巡るものになっていると指摘。激しい為替変動やインフレ、失業、市場管理を主要な課題として挙げ、イラン国民は苦難には耐えられるが、失政や無策には耐えられず、政府に迅速な行動を期待していると述べた。
イランのマダニザデ経済相は、米国の経済的圧力に改革で対応する計画だと述べ、制裁によって方針転換を迫られるとの見方を退けた。国営メディアが6日伝えた。
「彼ら(米国)は経済的圧力や孤立、金融関係の断絶について語り、ある国の経済に圧力をかけることでその国民の決定を変えられると考えている」とした上で、「イラン経済を改革する責任は米財務省ではなく、イラン政府と国民にある」と語った。
<カーグ島、過去数カ月で550回攻撃>
イランは石油輸出国機構(OPEC)第3位の産油国で、戦争前は原油の9割をカーグ島の輸出拠点経由で輸出していた。4月中旬に米国によるイラン産石油輸出の封鎖が始まって以降は供給に混乱が生じている。
米中央軍はXへの投稿で、6日時点で商船92隻を方向転換させ、3隻を航行不能にし、2隻に乗り込んで封鎖の厳格な順守を徹底したと発表した。
イランのパクネジャド石油相は6日に国営テレビで放送されたインタビューで、カーグ島は過去数カ月で約550回攻撃を受けたが、依然稼働を続けていると述べた。
イラン側もホルムズ海峡で封鎖を実施しており、世界の燃料価格を押し上げることで、11月の中間選挙を前にトランプ米大統領に問題を突きつけている。
しかし、ライト米エネルギー長官は石油が同海峡を通過しているとの認識を示した。
CNNで「海峡の通過量は現在、平均で日量900万バレルを超えている。海峡を迂回するパイプラインも含めれば、紛争前の水準の3分の2以上に達していると思われる。イランは依然として問題を引き起こしているが、米海軍はその戦いに勝利しつつある」と述べた。