深センの存在感
この傾向を最も体現しているのが深センだ。
この南部の技術拠点は、今年11月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を控え、中国のイノベーションを示すショーケースとして自らを位置づけている。
外国人訪問者数は昨年70%増加し、今年第1・四半期にはさらに30%以上伸びた。今年8月までの入境記録は500万件を超えている。
タクシーの車内では英語のアナウンスが流れ、外国人インフルエンサーが技術展示会に頻繁に姿を見せるようになった。ウッダード氏によると、地元企業は、外国のロボット工学・AIハードウエアの起業家が生活し働くための、シリコンバレー式の「ハッカーハウス」まで設立しているという。
外国人起業家向けの深セン工場ツアーを運営しているウッダード氏は、「シリコンバレーと深センを行き来している400人規模の微信(ウィーチャット)グループがある。そこでは、電池工場やディスプレー工場について、気軽に情報を出し合っている」と話す。「起業家らは、10日間のビザなし入境制度を使って、事前のつてもなく深センに来ている。次の試作品を誰に作ってもらえるのかを探るためだ」
こうした活況は、深センが低コストの生産拠点から、中国が技術的主導権を追求する最前線へと変貌したことを示している。同市に11年間暮らすチェコ人起業家のヤン・スメイカル氏は、訪問を望む外国のスタートアップ創業者からの依頼が来ない日はほとんどないと語る。
「深センほど、テクノロジーを街の根幹に据え、日常生活にまで深く溶け込ませている場所は、世界のどこにもない」

夢の「最強計算機」が実用化へカウントダウン。医療・通信・金融・AIはこう変わる