AIは癌治療にも有用?

実際、AIが設計した285種類の候補の中で、実際に増殖して細菌を攻撃したファージは16種類だけだ。しかも、実験は動物や人間の患者ではなく、研究室のペトリ皿の上で行われたにすぎない。

「全ての候補は有効性、安全性、適切な投与量、体内での挙動、安定した生産に関して大規模な試験を行う必要がある」と、ウォンは言う。

一方、バイオテクノロジー企業オムニオースの細菌免疫学者メハク・ザフール・カーンは、16種類のAI製ファージの中には「開発のひな型になったファージを上回る有効性を発揮したものもあった」と本誌に語った。「さらに(人工ファージを)複数組み合わせると、ひな型になったファージへの耐性がある細菌も殺すことができた」

感染症以外で、AI製のウイルスが役に立ちそうな分野の1つが癌治療だ。

癌細胞に感染して死滅させると同時に、腫瘍に対する免疫反応を活性化させる腫瘍溶解性ウイルスは、以前から開発が進められてきた。そのプロセスにAIを導入すれば、癌細胞をより正確に狙い、正常な組織へのダメージを抑え、より強力な免疫反応を引き出すウイルスを設計しやすくなる可能性がある。

将来的には一部の脳や膵臓の癌、固形癌など難治性の癌の治療に、人工的に設計したウイルスを活用しようと研究が続いている。
 

HIVや神経疾患にも
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