9月11日の同時多発テロから25年。ニューヨークの世界貿易センター(WTC)で救助や復旧作業に当たった人々が負ったトラウマは、惨状を直接目にしていないその子供たちにも影響を及ぼしている可能性があることが、新たな研究で明らかになった。

米コロンビア大学の研究チームによると、テロ後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した9.11対応要員の子供は、不安やうつなどの精神的な問題を抱える割合が高かった。

PTSDは、強い精神的衝撃を伴う体験をきっかけに発症する精神疾患で、フラッシュバックや悪夢などさまざまな症状が現れ、何年にもわたって続くこともある。

学術誌「PLOSメンタルヘルス」に掲載された今回の研究は、災害対応に当たる人々への支援を本人だけでなく家族にも広げる必要性を示している。

研究には176家族の成人した子供270人が参加した。全員が9.11発生当時18歳未満で、テロ後まもなくPTSDと診断された親を持つ。

研究を率いたコロンビア大学の臨床神経生物学教授(精神医学)のヤエル・サイコウィッツは、「WTC対応要員の成人した子供は、一般的な水準に比べ、強いうつ、不安、パニック症状を訴え、一部にはPTSDの症状も見られた」と述べる。

親が現場でどのような経験をし、それがどれほど長く続いたかも影響していた。早い段階から現場に入り、遺体や遺体の一部を目にしたり、現場で長時間活動したりした親の子供ほど、精神的な問題を抱える可能性が高かった。

また、警察官として活動した親の子供に比べ、救助やがれきの撤去などに携わった親の子供のほうが、現在も精神的な問題を抱えている割合が高かった。

研究チームは、警察官は困難な状況に対処する訓練を受け、仲間同士で支え合える環境もある一方、ほかの対応要員の多くは建設作業員で、凄惨な光景への備えが十分ではなかったことが背景にあるとみている。

トラウマは世代を超えて受け継がれるのか
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