理学療法は、けがや病気からの回復に重要な役割を果たすが、理学療法士の不足が深刻化する一方で高齢化が進み、必要なリハビリを受けられない患者も少なくない。研究者らは、AIを活用することで、より多くの人がリハビリを受けられるようになる可能性があると考えている。
脳卒中の後遺症や手術、大けがからの回復を目指す患者であれば、自宅でのリハビリ運動中にAIからリアルタイムでアドバイスを受けたり、回復が停滞した場合に理学療法士へ知らせたりすることも可能になる。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の専門家らは、人間の理学療法士から直接学習するAI搭載のリハビリ支援ロボットシステムを開発した。
このシステムは人間の理学療法士と同じように、患者一人ひとりの状態に合わせて支援の仕方を変える。理学療法士の動きをカメラで撮影した映像と、療法士が加える力を測定するウェアラブルセンサーのデータを組み合わせることで、触れ方や力加減、抵抗への対応といった身体的なやり取りをロボットに学習させる。
単に動作を再現するシステムとは異なり、患者の状態に応じてリアルタイムで支援の度合いを調整できる。患者が苦戦していれば手助けし、自力でできるようになれば支援を減らしていく。
このシステムを開発したMITの博士研究員ヨハネス・ラクナーは、「ロボットを活用すれば、患者は自分の能力に合ったサポートを受けながら、より頻繁に運動に取り組める」と説明する。「目指しているのは、より多くの患者が自分に合ったリハビリを受け、身体機能と自立した生活を取り戻せるようにすることだ」