日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。

2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。

先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。

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人や社会、環境に配慮した消費行動を指す「エシカル消費」。消費者庁の2024年調査によれば、エシカル消費を実践している人は36.1%と増加傾向にあるものの、言葉の認知度はいまだ低い。エシカル消費は、我慢や特別な行動としてではなく、日常の楽しみに自然に組み込まれてこそ、根付いていく。

バーのカウンターは、その意外な入り口になるかもしれない。ニカラグア産プレミアムラム「フロール・デ・カーニャ」の日本における輸入総代理店、アイデイ商事株式会社(大阪市北区)は、「一杯のカクテル」からサステナブルな価値観を広げていこうとしている。

味と哲学、そして社会的な価値を備えた蒸留酒

フロール・デ・カーニャは、1890年にニカラグアで生まれ、5世代にわたり受け継がれてきたラムブランドだ。活火山サンクリストバルの麓で、原材料サトウキビの栽培から蒸留、瓶詰めまでを一貫して手がけている。蒸留は100%再生可能エネルギーで賄い、発酵時に発生する二酸化炭素(CO2)は回収・再利用。2005年以降、100万本以上の植樹も続けてきた。「カーボンニュートラル」と「フェアトレード」の両認証を取得したスピリッツ(蒸留酒)は、世界でも類を見ないとされる。

「フロール・デ・カーニャ」の蒸留所
中米・ニカラグアにある「フロール・デ・カーニャ」の蒸留所。火山灰を多く含む肥沃な土壌とミネラル豊富な水を湛える豊かな大地でラムが蒸留されている

アイデイ商事がこのラムと出会ったのは、2000年代後半の香港だった。代表の土居景久氏は、現地のラグジュアリーホテルが「サステナビリティの一環」としてフロール・デ・カーニャを採用する姿を目の当たりにし、衝撃を受けたという。これからの時代は、美味しいだけでは選ばれない。品質は前提として、そのブランドがどのような価値観でものづくりを行っているかが重要になる。この流れは日本にも必ず訪れる。そう確信したことが、同社がフロール・デ・カーニャを取り扱う原点となった。

2019年になると、フロール・デ・カーニャは「サステナブル・カクテル・チャレンジ」を始める。カクテルの味や技術だけではなく、その一杯に込められたサステナビリティを審査対象とする国際的なコンペティションだ。これまでに40以上の国と地域のバーテンダーが参加してきた。限られた食材を無駄なく使い切っているか。地域の食文化や伝統技術を継承しているか。調達やエネルギー消費に工夫をしているか。それらが総合的に評価される。さらにエントリーしたカクテルは、最低1カ月間、実際のバーでメニューとして提供することが条件だ。一度きりのパフォーマンスではなく、その実用性や再現性も試される。

日本大会は2022年から