Takaya Yamaguchi Tamiyuki Kihara Yoshifumi Takemoto
[東京 5日 ロイター] - 政府は5日の臨時閣議で、飲食料品の消費税率を「実質ゼロ」とする基本方針を閣議決定した。選挙公約に掲げた2027年4月の減税が正式に動きだす。閣議に先立つ自民党臨時総務会では出席者の全会一致の了承にこぎ着けた。ただ、慎重派の欠席が目立ち、一枚岩とは言えない現状も浮かぶ。財政リスクを抱えながらどこまで効果を得られるかが焦点となる。
<代替財源「最大の責務」>
税率引き下げ方針は、午後4時ごろから開催した臨時閣議で正式に決めた。閣議決定を経て政府は関連法案を秋の臨時国会に提出。来春の減税に道筋を付ける。
税率引き下げは1989年の消費税導入後、初めてとなる。
消費税率の引き下げは高市早苗首相が選挙公約に掲げ、7月30日に税率を1%に引き下げると表明していた。1%分の給付も指示し、党内での意見集約を進めていた。税率を実質ゼロとし、物価高に苦しむ現状を打開したい考え。
自民党の小野寺五典・税制調査会長は、減税に伴い影響が懸念される農業・漁業事業者や外食産業への対応も含め、「そういうことができて初めて制度が前に進められる。丁寧に対応していきたい」と、党本部で記者団に語った。
減税財源を巡り、臨時総務会で「社会保障に影響が出ないような財源でしっかり対応してほしい」との意見が出たことも明らかにした。
逢沢一郎・総務会長代行は記者団の取材に対し、「財源の課題はそのままある」と述べた。「適切な時期に国民に説明するのが最大の政府与党の責務になった」との危機感も語った。
閣議決定に先立つ党内プロセスでは、総務会での全会一致が慣例となっている。5日午前に自民党本部で開かれた臨時総務会では、出席者の全会一致を得たが、減税そのものに慎重とされる議員の欠席も目立った。
<高市財政への不安根強く>
首相は、臨時閣議後に記者団の取材に応じ、市場の信認を確保する方針そのものは堅持すると強調した。財源調達を巡り、「社会保障に影響が出ないようにしっかりと対応する」と語った。
片山さつき財務相は「市場の信認を得られるよう、赤字国債に頼らず(財源を)確保する」と改めて強調。その上で、ベセント米財務長官は日本が財政規律の強化に向かっていると認識しているとの見方を示した。
ただ、市場では高市財政への不安が根強い。国際社会からの疑念も強まれば、長期金利が急騰するリスクを伴う。
今年1月に日本の長期金利が急騰する局面では、ベセント財務長官から厳しい目を向けられた。今も高い水準で推移する長期金利に懸念を抱えているとみられる。
自民党の小林鷹之政務調査会長は5日の記者会見で、消費減税が日本売りにつながるリスクへの対応について、「市場との対話と日本経済を強くする本質的アプローチの両方が大事」との認識を示した。
コロナ禍で減税に踏み切ったドイツでは、思惑通りに効果が得られなかったという海外の事例もある。高市官邸が主導した消費減税がどういった経済効果を生み出すかは今後、正念場を迎える。