ロシア対ウクライナ、米イスラエル連合対イラン。この2つの熱い戦争がつながって、アメリカはまた1つ、厄介な問題を抱え込んだ。

4年前の2月から続くウクライナ戦争と、今年2月末に始まったイラン戦争をつないだのは世界最大の湖、カスピ海だ。日本の総面積にほぼ等しい広さのカスピ海は北をロシア、南をイラン、西をアゼルバイジャン、東をカザフスタンとトルクメニスタンに接している(3ページ地図参照)。はるか昔からヨーロッパとアジアを結ぶ交通と交易の要衝だが、ここ100年ほどは目立った軍事衝突もなく、ほぼ平穏な日々が続いていた。

しかし昨年12月、ウクライナ軍はカスピ海に浮かぶロシアの石油掘削施設を遠距離ドローンで攻撃。去る7月25日には軍事物資を運んでいたとされるロシアの商船も標的にした(ただしイラン側は、自国の貨物船が攻撃され乗員1人が死亡したと発表)。

7月28日には、共和党重鎮でウクライナとイスラエル双方の「よき理解者」だったリンゼー・グラム上院議員(7月11日死去)の葬儀にかこつけて訪米したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、ホワイトハウスで相次いでドナルド・トランプ米大統領と会談した。

その日にオフレコで何が話されたかは不明だが、少なくとも象徴的には、カスピ海を舞台にして2つの戦争がつながったことになる。ちなみにイスラエルも、今年3月中旬にはカスピ海を守るイラン海軍の艦艇を攻撃している。

カスピ海が戦場化して困るのはロシアとイランだけではない
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