Tamiyuki Kihara
[東京 4日 ロイター] - 国家安全保障戦略など「安全保障関連3文書」の改定に向けて議論する政府の第3回有識者会議が4日、首相官邸で開かれた。経済安全保障をテーマに、有識者らが意見を交わした。出席者によると、中国による輸出制限をめぐり、日本の「自律性と不可欠性」が重要との認識が広く共有されたという。年末に予定する3文書改定では、こうした論点も盛り込まれるとみられる。
会議では、経済安保が国家安保の中でどういった役割を果たすかについて議論があった。自国の経済的利点を他国に対する威圧に用いる「経済の武器化」の文脈では、日本がどのように安保面で自律性を確保し、他国からも不可欠な存在となるかとの視点の重要性が複数の有識者から提起されたという。
有識者メンバーで東大公共政策大学院の鈴木一人教授は会議後の取材に、中国は戦略的に経済安保上の独占的な地位を占める状況を作り上げてきたと指摘。こうした動きを理解し、中国の不可欠性を懸念しなければならないと述べ、「日本が自律性を進めていく上で、同志国や信頼できるパートナーとサプライチェーン(供給網)を構築することで、中国だけに依存する状態を避けることが重要だ」と語った。
同じくメンバーで元防衛事務次官の黒江哲郎氏は「揺さぶられても崩れない国家を目指さなければならない」とした上で、中国などを念頭に、経済的威圧への対処や打つべき政策は明確だと強調。「一番難しいのは企業や個人のマインドを変えることだ。日本が置かれた状況と将来のリスクを国側が丁寧に説明し、認識を共有する必要がある」と話した。
(鬼原民幸 編集:久保信博)