Sam Nussey

[東京 30日 ロイター] - 7年目を迎えるソニーグループのゲーム機「プレイステーション5(PS5)」にとって、11月発売予定の人気ゲームシリーズ最新作「グランド・セフト・オートVI(GTA6)」は販売を再び押し上げる追い風となりそうだ。一方で、PS5は人工知能(AI)ブームを背景としたメモリー半導体価格の高騰という逆風にも直面している。

米テイクツー・インタラクティブ・ソフトウェアの子会社が手がけるGTA6は、PS5とマイクロソフトのゲーム機Xbox向けに制作された。マイクロソフトが人員削減などゲーム事業の戦略見直しを進める中、PS5がGTA6登場の恩恵を受けると期待されている。

「GTA6は家庭用ゲーム機向けのみだ。新たにゲーム機を買おうとするユーザーの大多数はプレイステーション5を選ぶだろう」と、ゲームコンサルティング会社カンタン・ゲームズの創業者、セルカン・トト氏は語る。

ソニーは2020年にPS5を発売し、新型コロナウイルス禍によるサプライチェーン(供給網)の混乱を切り抜けた。足元はAI需要の急増によるメモリー価格上昇に見舞われ、ゲーム機の値上げを続けている。

今年度分のメモリーは確保済みとしているが、来年度も価格の高止まりを見込む。ここ数カ月、メモリー問題が同社のエンターテインメント事業に与える影響に対する投資家の懸念が株価の重しとなっている。

そうした中でGTA6が発売される。今年のPS5販売の減少が緩和され、ソフト販売の成長にもつながると、アンペア・アナリシスのアナリスト、ピアーズ・ハーディング=ロールズ氏はみる。裏社会を舞台にした「グランド・セフト・オート」の前作は2013年に発売され、約2億3000万本を販売した。待ち望まれてきた続編だけに、その効果への期待は大きい。

同氏は「GTA6はPS5本体の販売減速を和らげ、ソフト販売を押し上げるだろう」との見方を示す一方、「本来ならPS5が急速に普及していた数年前に発売される方が、ソニーにとっては理想的だった」と指摘する。「現在のPS5の価格は、GTA6の発売効果を最大化するには高すぎる」と話す。

PS5向けのGTA6は通常版が79.99ドル(約1万3000円)で、ダウンロード専用となる予定だ。ソニーはディスク形式でのゲームソフト販売を28年1月に終了する計画で、収益を補強する狙いがあるとみられている。

CLSAのアミット・ガーグ氏は、現在のメモリー価格水準を前提にするとPS5の採算は大きく悪化する可能性があると指摘する。「ソニーは来年、生産台数を抑えてメモリー価格の下落を待つ選択を迫られるかもしれない」と話す。

メモリー価格の先行きについては業界内で議論が交わされている。PS5の後継機が28年後半に投入されるとの観測もあるが、メモリーの調達で課題に直面する可能性がある。

カンタン・ゲームズのトト氏は、新型機は携帯型、あるいは携帯機能を備えた製品になると予想する。CLSAのガーグ氏は「プレイステーション6は高価格帯で販売せざるを得ないだろう。販売台数の伸びが犠牲になるかもしれない」と語る。

ソニーは31日、今年度の第1・四半期決算を発表する。

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