Hyunjoo Jin

[ソウル 30日 ロイター] - 韓国サムスン電子は30日、第2・四半期の営業利益が19倍に増加し、過去最高を記録したと発表した。人工知能(AI)向け半導体の底堅い需要がモバイル事業の業績低迷を相殺した。半導体部門の営業利益が250倍超に急増する中、AI向け半導体需要は引き続き旺盛で、2027年には供給逼迫が一段と悪化し、28年も不足が続くという見通しを示した。主要ハイテク企業による過熱気味のAI投資が減速し、成長を抑制しかねないとの投資家の懸念を打ち消す内容となった。

決算発表を受け、サムスン株は一時8%急伸した。1%超下落する場面もあったが、直近では小幅高で推移している。

サムスンのメモリー事業担当のキム・ジェジュン副社長は、アナリストとの電話会見で「27年の供給不足は今年より悪化する見通しで、28年にも継続する見込みだ」と述べた。

キム氏は、世界の大手データセンター企業上位5社と長期供給契約を締結し、他の大手5社とも合意間近だと述べた。企業名は明らかにしなかった。

長期契約の期間は少なくとも5年間で、長期的には総生産能力の60─70%を占めるという。契約には設備投資リスクのヘッジ目的で、前払い金や下限価格の設定が盛り込まれている。

NH投資証券のシニアアナリスト、リュ・ヨンホ氏は「電話会見での経営陣の説明は予想を上回るもので、ここしばらくで最も安心できる内容の一つだった」と述べた。

半導体部門の営業利益は89兆2000億ウォン(617億ドル)で、前年同期比で250倍超に膨らんだ。

サムスンは声明で「26年下期のメモリー事業は、AIインフラ投資の継続とエージェント型AIの普及拡大を背景に、サーバー向けを中心に堅調な需要が見込まれる」と表明。

「モバイルやPC向けで需要が一部鈍化するものの、市場は供給不足の状態が続くと予想される」とした。

一方、半導体価格の高騰はモバイル部門の重しとなり、同部門は7000億ウォンの営業損失を計上した。四半期ベースで初の赤字となる。

イートロ(eToro)のアナリスト、ジョシュ・ギルバート氏は「サムスンの一方を潤している半導体が、今や他方に打撃を与えている。同グループはメモリー価格やハイパースケーラー需要の持続性を巡り、かつてないほど大きなリスクにさらされている」と述べた。

<HBM売上高の伸び加速>

全体の営業利益は89兆5000億ウォン(619億8000万ドル)で、同社が示した見通しの89兆4000億ウォンとほぼ一致し、前年同期の4兆6800億ウォンから大きく増加した。売上高は前年同期比130%増の171兆5000億ウォン。

利益は過去3年間の合計利益を上回る規模となり、AIプロセッサーに使われる高帯域メモリー(HBM)の供給で国内競合SKハイニックスを追い上げる中、大きな転換点となった。

HBMの顧客にエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)を抱えるサムスンは、HBM4の売上高が第3・四半期に3倍超に拡大するとの見通しを示した。これにより、下半期にはHBM市場シェアがDRAM市場全体のシェアと同水準に達する見込みという。

台湾積体電路製造(TSMC)やインテルと競合するファウンドリー(半導体受託製造)事業については、工場稼働率と半導体価格の上昇を背景に「近い将来」に業績が回復する見込みだとした。

競合のSKハイニックスは29日、好調な四半期決算を発表したが、市場の高い期待には届かなかった。

サムスンのパク・スンチョル最高財務責任者(CFO)は電話会見で、SKハイニックスが今月米国市場に上場したが、同社に続いて米国預託証券(ADR)を発行することは検討していないと述べた。

多角化した事業ポートフォリオからの安定的なキャッシュ創出を踏まえると、新たな資金調達の必要性はほとんどないとの認識を示した。

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