Ankur Banerjee

[シンガポール 29日 ロイター] - アジア株式市場は再び売り優勢。韓国SKハイニックスの決算が予想に届かなかったことに加え、中東情勢が再び不穏になり原油価格が上昇していることも投資家心理を冷やした。

韓国の総合株価指数(KOSPI)は9%下落し、約4カ月ぶりの安値を付けた。SKハイニックスは14%下落。第2・四半期決算は営業利益が前年同期の6倍以上に増加し過去最高となったもののアナリスト予想には届かなかった。サムスン電子は8%安。

指数の下落を受けて20分間の取引停止措置が発動された。今年は相場変動が激しく、こうした措置は日常的なものになっている

KOSPIは先月付けたピークから40%超下落した。それでもドル建てで年初来41.5%上昇しており、アジア市場で今年最も好調な指数となっている。

SKハイニックスとサムスン電子の半導体大手2社はKOSPIの時価総額の半分超を占めており、先端メモリーチップが不足する中、収益機会の大きい人工知能(AI)関連取引の恩恵を取り込もうとするトレーダーの動きを背景に、今年の相場に多大な影響を及ぼしてきた。

ユーラシア・グループのアナリストはリポートで「ソウルは株式市場のボラティリティーと共存することを学ぶだろう」と指摘。その上で、「日々の大きな変動はおおむね市場のファンダメンタルズと切り離されている。企業収益は過去最高水準を維持している」と述べた。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネージャー、ゲーリー・タン氏は「今週は、連邦公開市場委員会(FOMC)の前後に米主要ハイテク企業の決算発表がある。人工知能(AI)関連投資への期待と不安が交錯し、投資家はリスク回避に傾いているようだ」と指摘した。

ATFXグローバルのチーフマーケットストラテジスト、ニック・ツイデール氏は、FOMC発表前は通常、市場は静かになるが、中東情勢の新たなニュースも重しになり、アジア株にとって再び動きの荒い1日になると予想している。

ナスダック先物はアジア時間で不安定な動きで直近は0.5%上昇。香港のハンセン指数は上昇し、中国の上海総合指数とCSI300指数は下げている。

米中央軍は28日、イランが中東の米軍を標的にした「奇襲攻撃」で発射した複数の弾道ミサイルを全て迎撃したと発表した。サウジアラビアは29日、米中央軍と連携し、イランの支援を受けるイラク国内の武装組織に対して「標的を絞った攻撃」を実施したと発表した。

IGのマーケットアナリスト、トニー・シカモア氏は「今回の攻撃は、過去の覚書崩壊の原因となったホルムズ海峡の通航に関する核心的な対立の解決には依然、ほど遠い状況にあることを浮き彫りにした」と述べた。

北海ブレント先物、米WTI先物は3ドル超上昇している。

今月の連日の攻撃応酬による原油上昇で、インフレ圧力が再び注目されている。FRB当局者の間でインフレを懸念する声が増えているものの、今回のFOMCは金利を据え置くみられている。

ウォーシュ新FRB議長がガイダンスを取りやめる方針を示したことで政策決定の予測は異例なほど困難になっている。

シタデル・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、フランク・フライト氏は「市場は、FRBのタカ派シフトの程度を再び過小評価している可能性がある。現在のところ緩やかなエネルギー価格の上昇が、すでにきわどいバランスにある今週の会合を利上げへと傾かせる可能性がある」と語った。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。