ワシントンと北京から見える風景

米政府の代表団は、政府機関の一部閉鎖を受けて今回の会議を欠席した。だが、ポンペオ国務長官はビデオ会議を使って演説した。

中国について、隣国に敵対的な態度を取り、国内では「全体主義を敷いている」とまず批判。演説の後半では、中国が開かれた公平な貿易と、知的財産の保護を受け入れれば、米中問題は解決すると訴えた。

ダボス会議の開幕前、トランプ大統領が昨年の演説に込めたメッセージはまだ有効だ、と米政府当局者はワシントンで語った。北米自由貿易協定(NAFTA)に代わるカナダとメキシコとの新協定を例に挙げ、多くの前進が見られたという。

米国が関税措置に踏み切ったことで、中国政府が対話に応じるようになり、昨年のダボス会議からみれば大きく前進したと、この当局者は主張した。

中国では、見方が割れている。

北京にある対外経済貿易大学の貿易専門家Tu Xinquan氏は、貿易戦争の結果、簡単ではないだろうが、中国が最終的により開放される可能性があると述べた。

ダボスで演説した2年前、習主席の「より大きな関心は政治にあった」とTu氏は分析。貿易戦争の結果、中国が経済に重点を置く可能性があると指摘する。

一方で、中国大手国有企業のシニアアナリストは、習主席が米国からの改革要求に譲歩することはあり得ない、とロイターに語った。そのような譲歩は、景気後退のかじ取りをするよりも大きな政治的な危険性を招くことになるという。

「もし中国政府が米国の大統領に膝を屈すれば、国民の間から強烈な不満が沸き起こり、政府内での大きな政治的失点となるだろう」

(翻訳:山口香子、 編集:下郡美紀)

Simon Robinson

[ダボス(スイス) 23日]

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