Gram Slattery
[アンカラ 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、地対空ミサイル「パトリオット」の製造ライセンスをウクライナに付与すると表明した。ロシアとウクライナの双方が戦争終結を望んでいるとの認識も示した。
トランプ氏はトルコの首都アンカラで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、「われわれはパトリオットの製造ライセンスを提供するつもりだ。これは素晴らしいことだ。これで、われわれが十分に供給していないと不満を言うことはできないだろう」と言及。「これは防御兵器であり、私は攻撃兵器よりもこちらの方が好きだ」と語った。
ゼレンスキー氏は、弾道ミサイルを迎撃できる唯一の兵器である米国製の迎撃ミサイルを繰り返し要請しており、トランプ氏との会談でもこの問題を提起するとみられていた。
トランプ氏は同日中にロシアのプーチン大統領とも会談すると述べた。
迎撃ミサイルが短期的にウクライナに供与されるのか、またウクライナ国内や別の国で製造されるのかは、直ちには明らかにならなかった。
元駐ロシア米大使のマイケル・マクフォール氏は「ウクライナにパトリオットの製造ライセンスを付与することが実現すれば、大きな意味を持つ。しかし、ウクライナは今すぐミサイル防衛用の迎撃ミサイルが必要であり、将来の生産を待つことはできない」と指摘した。
追加のパトリオット迎撃ミサイルを直ちに送るかと問われたトランプ氏は、「一部」は直ちに送ることが可能だとした上で、ウクライナが生産を速やかに開始できるという考えを示した。
「われわれはパトリオットを保有しているが、それほど多くはない。自国用にも必要だ」とし、「ウクライナはかなり速やかに製造できると思う。われわれが説明すれば、企業をここに連れてくる。あなた方(ウクライナ)は企業と協力する。彼らはかなり複雑な兵器を製造する優れた能力を持っている」と述べた。
さらにトランプ氏は、「パトリオット」を製造する企業に対し、生産を促す圧力をかけることが可能だと発言。「われわれは、パトリオットを製造する企業に対し大きな影響力を持っている」と述べた。
またトランプ氏は、隣に座っていたゼレンスキー氏に言及しつつ、「われわれは多くの戦争を解決してきた。この戦争は最も簡単に解決できると思っていた」とし、「プーチン氏は扱いにくい人物であり、この人物(ゼレンスキー氏)もまた扱いにくい」と語った。その上で、双方が戦争終結を望んでいるとの考えを示した。
ステファニシナ駐米ウクライナ大使は、アンカラでの会談は米・ウクライナ間の協力について「いくつかの重要な戦略的シグナル」を発したとし、これらのシグナルを具体的な決定につなげることを期待していると述べた。