②専門知への敬意

アメリカは伝統的に知識を重んじてきた。科学者、発明家、技術者を名士として扱い、ジャーナリストや知識人に敬意を払ってきた。意見が対立する公共政策の問題では、指導者たちの集合的な知恵と判断に従うことが多かった。

もちろん、専門家が常に正しいわけではない。その助言が惨事を招くこともある。だが間違った専門家も、素人にはない知識を持っている。そして彼らが間違えたときには、必ず他の専門家が声を上げ、指摘するはずだ。このように専門家同士の議論は、国家という船の位置を正しく保つ役に立つ可能性がある。

※この記事は前編です。後編「アメリカは「最良の自分」を取り戻せるのか──失われた3つの規範を再生するための処方箋」はリンクからご覧ください。

(筆者は1960年生まれ。ハーバード大学大学院で政治学博士号取得。専門は国際関係論。著書に『国際紛争』(共著、有斐閣)など)

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