[ロンドン 1日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめたユーロ圏の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は51.4と、4カ月ぶりの低水準となった。ただ生産活動は好調で、第2・四半期全体では2022年初め以来の高水準を記録した。
米国とイランが停戦交渉を進めたことでコスト圧力が和らぎ、安心感が広がった。一方で輸出需要の低迷が重しとなった。
製造業PMIは速報値の51.3から上方修正され、縮小と拡大の分かれ目となる50を5カ月連続で上回った。5月は51.6だった。
中東情勢はサプライチェーンに引き続き影を落としているものの、製造業のサプライヤー納期を示す指数が3カ月ぶりの高水準に上昇するなど、緩和の兆しも現れた。納入業者の混乱に対応するためメーカーは事前に購入した原材料を大幅に取り崩しており、生産前在庫が急減する要因となった。
S&Pグローバルは、6月17日に米国とイランの間で停戦に関する覚書が署名される前に大半の回答が回収されたため、サプライチェーンやエネルギーコストへの全面的な影響はまだデータに反映されていないと説明した。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「6月に製造業生産が一段と増加したことは、ユーロ圏経済の心強い回復力を示す兆候を補強するものだ」と述べた。「6月の拡大によってユーロ圏の製造業生産は22年年初頭以来の最も好調な四半期を締めくくることになり、サービス部門の落ち込みを相殺するだろう」と語った。
「しかし中東を巡る好材料が、製造業の短期的なパフォーマンスのさらなる改善に結びつくかどうかは明確ではない」とも述べた。
「エネルギー価格の低下と供給状況の改善は非常に好ましい。企業のコストを削減し潜在的な供給の混乱を緩和するだけでなく、インフレ抑制を通じて消費者需要を押し上げる助けにもなる」と指摘した。
一方で、製造業者はここ数カ月、供給混乱に備えた予防的な在庫積み増しによって生産や受注を下支えされてきたが、そうした効果はすでに薄れ始めており、今後数カ月は生産活動の伸びを抑える要因になりかねないとの見方を示した。
こうした製造業の持続的な拡大と同時に、コスト圧力も和らいだとし、背景には6月中の原油価格の急落に加え、供給不安が緩和したことがあると分析した。
新規受注は5月に横ばいとなった後、6月は緩やかな増加に転じたが、増加は極めて小幅にとどまった。輸出受注は引き続き小幅な重しとなった。
生産指数は5月の51.3から6月には2カ月ぶりの高水準となる51.7に上昇した。
雇用者数は減少が続いたが、人員削減ペースは緩やかになった。
価格面では、投入コストの上昇率は依然として高水準ながら、3月以来の低水準となり、昨年9月から続いていた加速傾向に歯止めがかかった。製品価格の上昇率も鈍化し3カ月ぶりの低水準となった。
企業景況感は4カ月ぶりの高水準に上昇し、4月の17カ月ぶり低水準から一段と回復した。ただ依然として長期的な平均をわずかに下回っている。