[30日 ロイター] - ウクライナ軍のシルスキー総司令官は30日放送のインタビューで、ロシア軍による北部からの新たな攻撃の可能性に備えていると明らかにした。ただ、首都キーウへの進軍を試みる公算は小さいとの見方を示した。
隣国ベラルーシからの攻撃も可能性は低いとした。ウクライナはここ数週間、ロシアが同盟国ベラルーシに対し、戦争でより大きな役割を果たすよう圧力をかけていると主張してきた。
シルスキー氏はウクライナのテレビ局TSNのインタビューで「複数の情報源でも裏付けられている最も可能性の高いシナリオは、ロシア領内、ブリャンスク州からの北部への攻撃だ」とし、「これは現実的な選択肢であり、われわれは備えている」と述べた。
こうした作戦の目的はキーウへの進軍ではないとも指摘した。ロシア軍は2022年2月の侵攻開始直後にキーウ進軍を試みたが、その後撤退し、東部ドンバス地方に軸足を移した経緯がある。
代わりに、ウクライナ北部チェルニヒウ州で領土を奪取し、1250キロに及ぶ前線の他地域に展開するウクライナ軍を引きつける狙いだという。
こうした戦略は「前線を引き延ばし、われわれから予備兵力を奪う」ことに等しいと同氏は述べた。
ただ、ロシアによるウクライナ侵攻当初の進軍で自国領の使用を認めたベラルーシが、さらなる関与に同意する可能性は低いとの見方を示した。ウクライナのゼレンスキー大統領は数週間にわたり、ベラルーシにそうした行動に踏み切らないよう警告してきた。
シルスキー氏は「最近の情勢を踏まえると、ベラルーシ指導部が自国領を侵略者の攻撃作戦の拠点として提供する道を選ぶとは思えない」と述べた。同時に「われわれは当然この可能性も考慮に入れている」とした。
シルスキー氏はまた、ロシア軍が疲弊しており、前線での戦闘の激しさが低下している兆候があると語った。
ロシア軍の前線での活動が30%減少している一方で、ウクライナ軍は主に石油産業に関連するロシア国内の標的に対する長距離攻撃作戦を継続していると述べた。