[30日 ロイター] - 米新興人工知能(AI)企業アンソロピックは30日、米商務省が同社のAIモデル「クロード・フェイブル5」と「ミュトス5」に対する輸出規制を解除したと発表した。
同社は国家安全保障上のリスクを理由に、最先端のAIモデルへのアクセスを停止するよう命じられていたが、3週間足らずでの解除となった。
米政府は、高性能AIモデルが中国やロシアなどの軍事情報機関関係者に悪用されかねないとの懸念を背景に、潜在的な脅威を特定するため新モデルの公開に対する監視を強化している。
アンソロピックは米政府が12日に出した輸出管理命令を受け、ミュトス5とフェイブル5を停止した。26日には、ミュトス5を一部の「信頼できる」米企業・機関に公開することを米政府が許可したと発表し、命令が部分的に解除されていた。
同社は「あすからアクセスの復旧を開始する」とXに投稿した声明で述べた。
ロイターが確認したアンソロピック宛ての書簡で、ラトニック商務長官は輸出規制を撤回したとし、ミュトスまたはフェイブルの輸出にライセンスは不要になったと述べた。
同氏は「アンソロピックはモデルに関連する安全保障上のリスクを積極的に検知・対処すること、ミュトス、フェイブル、および将来のモデルに関するプロトコルや基準、リリースについて米政府と入念に連携すること、悪意ある活動があれば米政府に通知することに同意した」と述べた。
ただ、こうしたモデルにアクセスできる企業を米政府が選別することには批判も出ている。
対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を手がけるオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は先週、広範な安全性テストは「悪い考えではない。ただ、政府が顧客を選ぶという発想は気に入らない」とXに投稿した。同社は米政府の要請を受け、最新モデル「GPT─5.6」の一般公開を延期すると発表した。また、初期段階でのアクセスは、当局と詳細を共有した審査済みの少数のパートナーに限定するとした。