David Lawder

[ワシントン 30日 ロイター] - 米トランプ政権は、7月1日に見直し期限を迎える自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」について、延長しない方針を正式に表明する可能性が高い。USMCA改定を巡り3カ国が合意に至らなければ失効に向けた通称「サンセット条項」が起動され、10年にわたり続けられる協議でも合意が得られなければ、これまで32年間続いた北米自由貿易協定は2036年7月1日に失効する。

米国、メキシコ、カナダの通商担当閣僚は7月1日にオンライン会合を開き、USMCAを16年間延長する意向があるか協議する。グリア米通商代表部(USTR)代表の報道官は、USMCAについてグリア氏の正式な発表は行われていないとしている。ただ、グリア氏は7月20日の週にメキシコとの3回目の交渉を予定しており、USMCA改定に向けた働きかけを継続する意向は示している。

ワシントンの法律事務所ワイリー・ラインの通商担当パートナーで、元USTR首席法律顧問のグレタ・ペイシュ氏は「7月1日に米国は延長の意思を表明しないと予想している」とし、会合後に発表される可能性のある声明で「米国が何を求めているのか具体的、かつ公に示すかどうかも分からない」と述べた。

メキシコのシェインバウム大統領は30日、記者団に対し、USMCAの16年延長を求める書簡に署名したと明らかにした。カナダのカーニー首相は、3カ国の協議で「建設的な意見交換」が行われるとの見方を示し、「優先事項は新たな合意をまとめることで、われわれは協定の改善に向けた交渉を行う用意ができている」と語った。ただ、署名すべき合意に達する見通しはないとの認識を示した。

トランプ米大統領はすでに、カナダとメキシコからの自動車・自動車部品に25%、鉄鋼・アルミニウム製品に50%の関税を課しており、USMCAに基づく無関税待遇を一方的に事実上終了させている。これを受け、カナダは報復措置を導入。カナダはこれまで米国との正式な交渉には参加していないものの、カーニー首相はアルミニウム、鉄鋼、自動車、針葉樹製材などを巡る実務レベルの協議で一定の進展が得られていると指摘。「われわれにはこうした協議を継続する用意がある」と述べた。

一方、トランプ大統領はこれまでに「USMCAはない方が状況は良くなる」と発言。新たな取り決めは結ばない方が好ましいとの考えを示したものの、そうした取り決めを巡る交渉に応じる余地はあるとも述べた。

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