[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、輸入割当枠(クオータ)を削減し、EUへの無関税の鉄鋼輸入を抑制する新たな制度を発表した。域内の鉄鋼部門を保護し、設備稼働率を80%まで引き上げることを目指す。
新制度では、EUの年間無関税輸入枠を47%削減して1830万トンとする一方、26品目の鉄鋼製品に対して割当枠外で50%の関税を導入する。
輸入枠の半分は自由貿易協定(FTA)締結国に限定して確保され、残りの半分はFTA締結国を含む全ての貿易相手国が利用できる。
欧州委は、相手国の多くには過去の輸入実績に応じた国別の輸入枠が設定されると説明した。「従ってEUのFTA締結国の大半は、市場アクセスの縮小幅が鉄鋼規則が想定する平均47%の削減を大幅に下回る」との見通しを示した。「相当数」の貿易相手国がこれらの割り当てに暫定的に合意しているという。
欧州委は海外における過剰生産能力やダンピング(不当廉売)から欧州の鉄鋼業界を保護するために今回の規則が必要だと強調した。
また「鉄鋼部門における慢性的な世界の過剰生産能力は依然として深刻な世界的問題であり、国際市場をゆがめ続けている」と指摘した。「今回の措置により、過剰生産能力に起因するゆがみの影響を受けた市場において公正な競争を回復させる」と述べた。