Tetsushi Kajimoto
[東京 30日 ロイター] - 政府は30日に公表した6月の月例経済報告で、景気の総括判断を「緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」とし、4カ月連続で表現を維持した。先行きは、米国とイランの戦闘終結に向けた覚書合意後の影響を含め状況を「引き続き」注視するとの文言を追加。足元では、物価面に原油価格上昇の影響などが表れ始めていると指摘した。
内閣府の担当者は、中東情勢の影響を「引き続き注視する」としたことについて「米イランの合意で一つの節目を迎えたが、今後情勢がどうなるかは依然不透明であることに加えて、物価面への波及がこれから出てくるところもある」ためと説明した。
今月のポイントとして報告書は、米イラン合意前の原油価格上昇などの影響が輸入物価、企業物価の順に表れ始めていると指摘。一方、ナフサ不足などによる停滞が懸念されていた石油・化学製品の生産については、原料代替調達の進展もあり、予測指数ベースで4月を底に増加に転じると分析している。
個別項目では、個人消費を「持ち直しの動きがみられる」とし、2カ月ぶりに表現を変更した。米イラン合意後、週次民間調査では消費者マインドの「改善が顕著」なことから、前月までの「ただし、消費者マインドが弱い動きとなっていることに注意」という文言を削除した。
輸出は、前月までの「おおむね横ばい」から、「このところ持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。世界的なAI(人工知能)需要を背景にアジア向け情報関連材が上向いていることや、米国向けも堅調であることを反映させた。
倒産件数は「おおむね横ばいとなっている」とし、前月までの「増加がみられる」としてきた判断を上方修正した。
設備投資は「持ち直している」との判断・表現に変更はなかったが、企業収益が依然堅調なことや世界の半導体需要が今度も拡大を続ける見通しであることなどから、底堅さを維持するとみている。
※〔表〕月例経済報告の景気判断の推移はをご覧ください。