[ニューヨーク 25日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米経済指標を受け利上げ観測が後退したことを受け、ドルがユーロなどに対し小幅安となった。ただ、ドルは対円ではやや上昇し、引き続き161円台後半で推移。161.96円を超えれば、1986年以来約40年ぶりのドル高・円安水準になり、政府・日銀による為替介入が警戒されている。
終盤の取引でドルは対円で0.01%高の161.79円。ニューヨーク市場で取引が本格的に始まる前、ドルは一時161.95円まで上昇していた。
日銀の田村直樹審議委員はこの日の記者会見で、現状はインフレ率が大きく上振れて急速な利上げが必要な状況にはないとの認識を示し、「数カ月に一度、0.25%ずつ2%程度の中立金利に向けて利上げを進めていく」ことを念頭に置きつつ、実際の利上げのタイミングは経済や物価、金融情勢次第と指摘。2%物価目標は「実現された」とし、物価の基調が2%を超えて上昇するのを避けるには政策金利を「中立金利の近辺まで引き上げる必要がある」と述べた。
ロイターが確認した政府の長期経済運営指針案によると、政府は民間需要を後押しする金融政策を求める方針。低金利環境の維持を志向していることをうかがわせる内容で、日銀との政策運営を巡り緊張が生じる可能性もある。ソシエテ・ジェネラルのアナリストは、「現時点では市場は深刻に受け止める必要はないと考えている。ただ、財政リスクは解消されたのではなく先送りされただけであり、時間の経過とともにより重要なテーマになる可能性が高い」とししている。
この日発表の米経済指標では、5月の個人消費支出(PCE)価格指数が前年比4.1%上昇。2023年4月以来の大きな伸びだったが、エコノミスト予想と一致した。前月比では0.4%上昇と、予想の0.5%上昇をやや下回った。
アネックス・ウェルス・マネジメント(ウィスコンシン州)のチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「インフレ高進と物価高に対する消費者の懸念は、最悪期を脱した可能性がある」と指摘。「インフレ期待は、半導体価格よりもガソリン価格に強く左右される。ガソリン価格の下落傾向が続く限り、インフレ期待も低下していく可能性が高い」と述べた。
FRBは16─17日に開いたFOMCで金利据え置きを決定。据え置きは4会合連続だった。CMEフェドウオッチによると、7月28─29日の次回FOMCで少なくとも0.25%ポイントの利上げが決定される確率は約30%と、前日の34.2%から低下した。その次の9月15─16日のFOMCでの利上げ確率も62.1%と、前日の65.7%から低下した。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.19%安の101.41。1日の下落率としては約2週間ぶりの大きさになる。
ユーロ/ドルは0.16%高の1.1375ドル。
英ポンド/ドルは0.25%高の1.3196ドル。23日にスターマー英首相が辞意を表明したことを受けた下落基調にようやく歯止めがかかった。
ドル/円 NY午後3時 161.78/161.81
始値 161.86
高値 161.94
安値 161.57
ユーロ/ドル NY午後3時 1.1372/1.1374
始値 1.1346
高値 1.1388
安値 1.1334