Francois Murphy
[ウィーン 24日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は24日、米国とイランの間で暫定和平合意が成立したことを受け、イランで査察を近く実施する予定だと表明した。一方イランは主要施設への査察は最終合意と制裁解除を条件とするとの考えを示した。
グロッシ氏は日本での会見で、「査察は確かに実施される。日程、手順、場所といった実施方法に間もなく取り組む」と指摘。「それが明後日に実施されるか、1週間後か、10日後かは重要ではあるが、本質ではない。いずれにせよ、査察は行われることになる。もちろんイランが合意を順守する意思がある場合の話だ。もし順守する意思がないなら、話は別だ」と述べた。
イランのガリババディ外務次官は24日、攻撃を受けた核施設や核物質へのアクセスを認める計画は現時点でないと言明。米国との最終合意の枠組みの中で、イラン制裁解除への具体的措置の後、この問題に対応すると述べた。
米国とイスラエルが2025年6月に重要な核施設を攻撃して以降、イランはIAEAにこれらの施設への査察を認めていない。IAEAは他の施設の査察はそれ以降も実施したが、2月28日に米国・イスラエルによる攻撃が始まって以降は停止している。
イランはグロッシ氏の発言に反発したとみられ、ガリババディ氏は査察の取り決めは制裁解除を巡る交渉の進展を条件とするとの考えを示した。
イランはIAEAに対し、攻撃後の残存濃縮ウランの量や保管場所を通知していない。IAEAの推計では、25年6月の攻撃開始前にイランは60%濃縮ウランを最大440.9キロ保有していた。IAEAの基準では、さらに濃縮されれば核兵器10発分に相当する。
グロッシ氏は、このうち200キロ強がイラン中部イスファハンの地下施設に保管されているとの見方を示した。同施設は攻撃を受けたが大きな損傷は受けていないもようだ。