Saqib Iqbal Ahmed Lewis Krauskopf
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXの株価は23日、新規株式公開(IPO)初日の寄り付き値を一時下回った後に反発し、乱高下を続けた。変動の激しい同銘柄を巡る買い手と売り手の動きに市場の関心が一段と集まっている。
スペースXの株価は、今月12日の取引開始以来、最大67%上昇した後、35%下落した。アナリストは、こうした乱高下は同社の将来性やバリュエーションに対する投資家の根本的な見方の変化を示すものではなく、750億ドル規模の記録的なIPOに先立って大量の情報が出回った後、情報の発信が減っていることが背景にあると指摘する。
<スペースXの注目イベント>
ただ、状況は今後数日で変化する可能性がある。スペースXの主要株価指数への組み入れや大手投資銀行による調査リポートの開始がさらなる買いを後押しする一方、ロックアップ期間の終了が売り圧力を高める可能性があるとアナリストはみている。
スペースXは、指数算出大手のFTSEラッセルが26日に実施する定期的な指数再構成の一環として、ラッセル指数に組み入れられる見込みだ。ジェフリーズの試算によると、これによりパッシブ投資家から26億8000万ドルが流入する可能性がある。
また、今月29日には、スペースXの次世代ロケット「スターシップ」の13回目の飛行が予定されているほか、7月6日には、ナスダック100指数への組み入れが予定されている。
スペースXに関連する一連のイベントは、今後数日から数週間の取引を動かす材料になるとみられている。投資家らは、指数への組み入れなど一部の動きは株価上昇要因となる可能性が高い一方、特に人工知能(AI)関連株のような過熱した相場では、それらの動きが取引に与える影響を見極めるのは不可能だとみている。
<オプション市場、慎重姿勢へ>
当初、投資家らはスペースXへのエクスポージャーを確保しようと強気なオプション取引に殺到していたが、この動きはよりバランスの取れたものへと変わってきた。サスケハナ・フィナンシャル・グループのストラテジスト、クリストファー・ジェイコブソン氏によると、オプション市場のデータは、株価が9月中盤までに130ドルを下回る確率を約40%と織り込んでいる。
新規上場企業の多くは、上場後の約6カ月間、内部関係者の株式売却に広範な制限を課すのが一般的だが、スペースXは一部の関係者に対して例外措置を設けており、業績や株価目標に一部連動させた段階的なロックアップ解除を計画している。特定の条件が満たされれば、一部株主はスペースXが初の四半期決算を発表した直後から株式売却を開始できる可能性がある。
また、金融分析会社S3パートナーズによると、スペースX株は、発行済み株式の浮動株比率の約5─7%にあたる約4000万株が空売りされているにもかかわらず、空売り筋にとって株式を借り入れやすい状況になっているという。S3パートナーズのリサーチディレクター、サム・ピアソン氏は「株式を借り入れやすくなっている」とした上で、空売り筋が株式を借り入れる際に支払うコストは約60ベーシスポイント(bp)だと指摘。
借り入れコストが最も低い銘柄群の約30bpよりは高いものの、この水準は供給量の増加と、空売りを検討しているファンドにとって株式の借り入れに対する懸念がないことを反映していると述べた。