Sudip Kar-Gupta Sarah Young
[パリ 23日 ロイター] - 欧州で熱波の影響が深刻化している。フランスでは、監視員がいない場所で遊泳していて死亡した人が40人に達した。英国、イタリア、スペインも記録的な猛暑に見舞われ、学校や交通網に支障が出ている。
世界気象機関(WMO)によると、欧州は世界平均の2倍以上のペースで温暖化が進んでおり、長期間にわたる熱波の発生確率が高まっている。
今回の熱波は、ギリシャ文字の「オメガ」のような形で中央に熱い空気の膨らみ、その両側に冷たい空気が配置される「オメガブロック」と呼ばれる気圧配置が原因。「ヒートドーム」が形成され欧州中西部の上空に熱い空気を閉じ込められ、連日の気温上昇を招いている。
<フランス全土で熱波警報>
フランスでは大部分に熱波警報が出されている。仏気象局によると、23日は気温が40度前後、西部の一部では43度まで上がると予想されている。
国内各地で、涼をとるために若者らが運河や川に飛び込んでいる。ルコルニュ首相によると、18日以降、遊泳禁止の場所で泳いでいて死亡した人が40人に達した。フェラリ・スポーツ相は、暑さから逃れたい気持ちは理解できるとしつつも、遊泳禁止区域や危険な場所で泳がないよう呼びかけた。
パリの一部地区では、空調の効いた場所で休息してもらうため、自治体が25歳未満と65歳以上の住民に映画館の無料チケットを配布した。
<経済活動が減速>
財界からは経済に打撃が出ているとの声がでている。
仏経営者団体(MEDEF)のパトリック・マルタン会長は、企業は従業員を守る措置を取っていると地元テレビに述べた。パリ市内の複数の店舗で扇風機が売り切れとなった。
イタリア政府は15都市に最高レベルの警報を出し、特定部門について就労を一時停止または短縮する措置を講じた。
英国も23日はイングランド南部で最高気温が37度に達し、6月としての記録を更新する可能性がある。気温は24日と25日にはさらに上昇する見込みだ。古い校舎は30人以上の児童が学ぶ教室としては適切ではないとして、数十の学校が下校時間を早めると発表した。
スペイン気象庁は、気温が44度に達する危険な暑さが予想されるとして、国内の一部地域に赤色警報を出した。南部アンドゥハルは22日に気温が45度を超えた。
ベルギーでは、気温の急上昇により、ブリュッセル近郊の小学校が期末試験の会場を近くの教会に変更した。
<交通網にも影響>
交通網にも影響が出ている。英鉄道施設管理会社ネットワーク・レールは、気温が39度まで上がると予想されている24日と25日は、不要不急の列車利用を控えるよう呼びかけた。
鉄道会社は、線路などインフラを保護するため運行速度を制限するため、列車の遅延や運休が生じる可能性があるとしている。
ロンドンでは夜間に激しい雷雨が相次ぎ、ヒースロー空港など一部の交通網に乱れが生じた。