Takahiko Wada Leika Kihara
[東京 19日 ロイター] - 元日銀審議委員の桜井真氏は19日、ロイターのインタビューに応じ、6月の利上げで日銀がインフレ対応を優先する姿勢を鮮明にしたことで、今後の物価情勢次第で今年度中にさらに2回の追加利上げの可能性があるとの見通しを示した。
桜井氏は、6月の金融政策決定会合がインフレ対策優先の金融政策運営に舵を切る大きな転換点になったと位置付ける。日銀は15日、16日の金融政策決定会合で政策金利の1%への引き上げを決めたが、声明文では、基調物価が「2%の物価安定目標を超えて上振れていくリスクがある」とし、今回の利上げが物価上振れリスクへの対応だったことを鮮明にした。
桜井氏は、企業の価格転嫁は定着しており「価格転嫁が続いている限り、インフレ対策優先のスタンスは変わらないだろう」とみる。次回の利上げは10―12月のいずれかに行われ、物価上昇が想定より強い場合には「10月に利上げして、来年1―3月にもう1回利上げする可能性もある」と述べた。
桜井氏はターミナルレート(利上げの最終到達点)も2%程度に切り上がっていると予想、27年度も2回程度の利上げを見込む。
日銀の利上げ決定後、外為市場で円買いの動きは限定的だった。桜井氏は「日銀が政策金利を引き上げても、円安の進行をある程度食い止める効果しかない」と指摘。高市政権の拡張財政路線への懸念から円安傾向が反転しにくくなっているとみている。
秋から年末にかけて高市政権が今年度の第2次補正予算を打ち出すことがあれば「国債のレーティングが下がるのではないか」と話す。国債格下げで円安がさらに進めば、物価の上昇が一段と進みかねないと警戒する。