『Bad』(1987 Epic Records)

『Bad』
EPIC

リリース直前、世間の目は既に別の方向を向き始めていた。1984年、ペプシのCM撮影中に火薬の誤爆でマイケルは頭部に重度のやけどを負い、その治療過程で鎮痛剤への依存が始まったという。これが後年の深刻な薬物依存につながったとされている。

アルバムは全米1位を獲得し、シングル5曲連続全米1位という前人未到の記録を樹立。

タイトル曲「Bad」の短編映像仕立てのミュージックビデオはマーティン・スコセッシが監督。アルバム収録曲「Leave Me Alone」はグラミー賞最優秀短編ミュージックビデオ賞を受賞した。ワールドツアーは123公演で440万人を動員し、興行収入1億2500万ドルを記録した。

『Dangerous』(1991 Epic Records)

『Dangerous』
EPIC

クインシー・ジョーンズとの別れは単なるプロデューサー交代ではなかった。マイケルが真に独自の世界観を構築しようとした冒険でもあった。

1曲目の「Black or White」は理想主義的なメッセージソングとして知られるが、MV後半でマイケルは車を壊し、窓ガラスをたたき割る。

その姿には、抑圧された怒りが露出しており、翌年に起きた「ロドニー・キング事件」に端を発するロサンゼルス暴動の予兆を感じさせる。このアルバムは時代と格闘する一人の芸術家として自らを再定義しようとした、最初にして最後の本格的な試みだった。

MTV時代の申し子
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